辛い時でも頼り辛い。<stxxx>part3

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さとみside






あ”ー……。


生放送終わりの帰り道。


自宅への慣れた道を進むも、ボーッとしていて全く違う道へ出てしまった。



『ん、ここどこだ？え、あれ、ちょ…なっ、え？(パニック)』



一応辺りを見渡すと、細い路地裏がいくつかあった。




適当にここ入ってみるか。
なんか大通り出るかもしんないし。


そんな軽い気持ちで中を覗く。


すると、二つの人影が目に映る。




一人が、もう一人を壁ドンしてるようなシルエット。



恋人同士か？
俺、邪魔かな。



一瞬そう思ったけど、異変に気づくまでにかかる時間も僅かなものだった。




……あいつ、なんか持ってんじゃん。

その、壁ドンしてる方の奴。




すると次の瞬間、人影は持っていたものをもう一人に突き立てた。



え、あれヤバくないか？








思わず体が動き、俺は二人に近づいた。



近づいてみると、だんだんとはっきり見えるようになった。




突き立てた方は…女、だな。
髪の長い、ローファーを履いた若い女子。



そして何かを突き立てられて倒れこんだ方は。



『っるぅと！？』





見間違えるはずがなかった。

この特徴的な黄色い髪を。

今日も見たこの服を。

チラリと見えた整った顔を。





この俺が、見間違えるはずがない。







『おい！るぅと！大丈夫か！？てかお前誰だよっ、おいるぅと！』




焦りすぎて文脈の一つもなくなった俺の声に、女が反応した。



女「あれぇ？さとみくんじゃあん！私ぃ、るぅとくんと遊んでたのっ♪」






リスナーか。

しかも、かなり拗らせた。






俺は咄嗟に女を抑えこんでスマホを開いた。

電話を開き、一番上のりいぬにかける。


もう、メンバーなら誰だって良かった。







三回のコールの後、彼は電話に出た。



り「あぁい、もしもしりーぬでーしゅ。あ、噛んだ()」

『りいぬっ！？おい今どこにいる！？』

り「あうっ、さとみくん声デカ…なんでそんな焦ってんの？俺はなーくん家だよ？」

『なーくん家っ！？てことはなーくんといる！？』

り「あーね、それがね、ジェルところんもいるんよ」

『マジか、助かる！実は今…あ……』


そこまで言って、救急車を呼んでいないことに今更気づいた。

俺って本当抜けてるよな。



りいぬには「皆と葡萄中央病院に来て」とだけ伝えて、俺は救急車を呼んだ。


未だ女を抑えてて、遠目にはるぅとの怪我が分からない。


止血すら、俺には出来なかった。





『るぅと……頼む、生きててくれ』



＊＊＊＊＊

璃月ちゃ、大正解！

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