せんせいにみられた【ジ.ェ.ル】

秘密26日目 ページ29

ジェルside









少し2人で休んだあと白濱と一緒に運動場へ向かった









「あ、ジェル！白濱！」








さとちゃんがやってくる








なーくんも気づいて走ってきた









「白濱さん！大丈夫??」






「ジェルも…」






『大丈夫ですよっ…ｗ』






「そっか…ってジェルくん…どうして泣いてるの…？」







なーくんの言葉に反応して白濱が俺を見る









「っ…なんも、ないでっ…」







『先生…』







3人に心配かけたらあかん








そう思うけど涙は止まってくれない









ここ1ヶ月、ずっとかなでと一緒にいたはずやのに









何1つ気づかれへんかった







かなではこんなに苦しんでたっていうのに







俺は自分の欲ばっか満たして








「ごめんなっ…」









『先生は何も悪くないんですから…』









さとちゃんもなーくんも心配そうに俺を見ていた









「ジェルくん、少し休んだほうがいいよ。他の先生達には俺から行っておくから。ジェルくんのぶんは俺が走る…「いやや…」









『…せんせ…？』









「かなでと約束してん…絶対1位とるって」









なんでこんなに熱くなってるんやろ









所詮、ただの運動会







しかも俺は、先生。








主役でも何でもない









「かなでには、笑っててほしいんや」









「ジェル…もしかしてお前…」









さとちゃんが言いたい事はわかるで









あかんことやって俺もちゃんとわかってる









それでも、俺は＿＿＿









《職員対抗リレーがまもなく始まります！担任、副担任の先生方は入場門へ集まりください！》









「行かなきゃ…」






なーくんがそう言う








俺はさとちゃんたちと歩き出した








すると服の裾を引っ張られる








「かなで…？」








『…無理、しないでくださいっ…』







かなでは今にも泣き出しそうな声でそう言った

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