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15日目。 ページ17

「さとみくんご飯もう済ませた?」


「ん、まだだよ。それがどうしたの?」


私の嘘なんて気にもしてなさそうな様子だ。


「それなら良かった。じゃあ、今から食べよ?」


「…え?」


「オムライス作ったから一緒に食べよ。
…作り過ぎちゃって。」


つい余計なことまで口走ってしまう。



"さとみくんの為に作ったよ"なんて素直に言えたらどれほど幸せなのだろうか。


当分、言える筈が無いけれど。



「えぇ、申し訳ないよ…他の子とか呼んだら?俺でいいの?」


「さとみくんだから呼んだの。ね、食べよ?」


私は少しだけ行動に出る。


気付いてるのか気付いていないのか。



それとも私に言わせようとしているのか、彼の表情からは何も読めない。



「…それ俺のために作ってくれたって解釈でいい?」


「…勝手にして下さい」



肯定も否定もしなかった。


沈黙は肯定に見なされる、って分かっていたから。



「Aちゃんは本当に律儀だなぁ。」



彼の言葉を耳に入れながらお皿に先程盛ったばかりのオムライスを彼の目の前に置き、スプーンを引き出しから取り出す。



観察眼に長けている彼の事だ。恐らく私の抱く感情にも気付いているだろう。




もし本当に分かっているのなら、わざわざ聞かなくていいじゃないか。



相も変わらずちょっぴり意地悪な彼には中々頭が上がらない。


彼の前に湯気が立ち上るふわふわのオムライスを置くと、彼は感嘆の声を上げた。



「めっちゃ美味そう…女子力高いんだね」



「そんな事ないですよ…と言いたい所だけど、料理はちょっぴり得意だったりする。」



"そんな事ないよ"なんて言えなかった。
可愛いくないな、私。 少しも着飾る事の出来ない自分に呆れた。


「「いただきます。」」


パン、と手を合わせて2人で声を揃える。



彼がゆっくりとオムライスを口に運ぶ。


人様に自分の料理を振る舞うなんて、初めてのことだった。


春斗くんも私にお粥を出した時、こんな気持ちだったのかな。


ドクドクと、鳴り止まない心臓。気になってしまうものは仕方ない。ぎゅっと目をつぶって、少しずつ開いた。


「…さとみくん!?!?」


「え?なに?」


彼は一筋の涙を流していた。



「さとみくん、泣いてるよ…?大丈夫?」


泣くほど、美味しくなかったのか、それとも何かあるのか。


もし本当に不味くて泣いたのだとしたら、私の味覚がおかしいってことになる。それはそれで悲しい。

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作品ジャンル:恋愛
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チョコ - めっちゃ好きです(( (2020年11月9日 1時) (レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - めっちゃおもしろいです!いい感じにシリアスだったり、ころちゃんの猿キャラだったり、キュンキュン要素だったり…最高です!!さとみくん推しで見に来たんですがこれはるぅとくんオチめっちゃ気になります…これからも期待してます!ありがとうございます!! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 43039e50b7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ゆらさん» 返信遅くなりすみません!表現力が乏しいので分かってもらえるか心配していたので良かったです〜! ありがとうございます!励みになります (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 愛由さん» 遅くなりすみません!ゲーム上手い組のさとるぅと凄く好きなので贔屓してます笑 読んでくださりありがとうございます。 (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 名前も出されていないのにどのメンバーか分かってしまう私はもはや病気です。。。これからも頑張ってくださいね! (2020年1月2日 23時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑞乃 | 作成日時:2018年12月16日 23時

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