はじめての、ボイチャ ページ3
それから、ころんさんとは急速に仲良くなった。
分からないゲーム用語や仕組みを聞くと、毎回丁寧に教えてくれて、本当にいい人。
実際何度かチームを組んでゲームをやって、アドバイスをくれたり、
(さっきの動き良かったですよ。)
って褒めてくれたりする。
だんだんと上手くなってくとゲームって楽しいんだな。
ころんさんともチャットでお話できるし、と何日かは連続でやったりした。
私は学校終わりに、いつも決まった時間で出来るのだけど、ころんさんは割と不定期だった。
でも、今日は用事があるので明日またしましょう、って次の約束をしてくれるのがすごく嬉しくて。
お友達ができた感じ。
本名も顔も、年齢も知らないのに。
私には初めての感覚だった。
(0122さん、パソコン持ってますか?)
ある日の夜、そんなメッセージが来て、
思わず部屋でひとり首を傾げた。
ちなみに0122は私のプレイヤーネーム。
愛犬の誕生日だ。
パソコンかぁ、持ってるけど、あんまり使ってないな。何でだろう。
(持ってますよ!どうしてですか?)
ころんさんは今は手が空いてるのか、すぐにまた返信が来た。
(このゲーム、最近パソコンバージョンがアップデートされてて、そっちだと画面も大きいし、discordっていうソフト入れて貰えたらボイスチャットしながらできるなーと思ったんです。)
ほ〜、なるほど。
確かに、携帯は画面が狭くて何が何だか分からないことがある。
しかも、ボイスチャットってことはころんさんの声が聞けちゃうってことだよね…!?
ずっと想像してた美人なお姉さんの声、絶対に聞きたい!
(パソコンでやってみます!!)
さっそくベッドの下からパソコンのケースを取り出して、机の上に準備する。
わくわくするな〜!キーボードとマウスでやるみたいだけど、上手くできるかなぁ。
言われた通りにdiscordをインストールして、第五人格を起動する。
(ログイン出来ました!)
(了解です!こっちもパソコンに変えます。)
えへへー、もうすぐころんさんの声が聞こえるんだな。
ゲーム好きな弟の部屋に行って、マイク付きのヘッドホンも借りたし。準備はばっちり!
そんなこんなで、ころんさんも準備が出来た様子。
discordのコードを送ってもらい、参加した。
『もしもし、聞こえますか、ころんさん?』
「え、あ、はい、聞こえます…。」
え、
え…?
ころんさんって男の人なの…!?
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作者名:ぽよ | 作成日時:2020年5月29日 5時