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さとみくん×先生(01) ページ2

「…って訳だから、x=2になるの。」


「わかった…?」


今日もかっこいいなぁ…さとみ先生。



目の前に開かれた問題集の解説に赤のボールペンで先生はサラサラと書き込みを加えていく。丁寧に書かれた解説補足と字が先生の誠実さを物語っている。



「…はい。」



"補習"と大きく書かれた黒板の下には三人の名前。


私と、田中くんと、樋口くん。


私以外の二人はとっくのとうに補習課題をこなし教室を後にしたのだから、この教室には私と先生の二人きり。



かっこよくて優しくて大好きな先生と二人きり。
好きな人と、二人きり。


「じゃあココ自力でやってみて?」


目の前に差し出された解読不可能な数字達が私を悩ます。

「…」


「…中村さん理解力あるのに勿体ないよ?」


「中村さん…?」


じっと澄んだ青色の瞳が私をじっと覗き込み、思わず本音が溢れだす。


「今日もさとちゃんがかっこいい。」


「おいこら、ちゃんと話聞きなさい」


「だってさとちゃんかっこ良いんだもん」


「あーはいはい、ありがと」


もう慣れたのか、私の本心にも反応してくれなくなった。それどころか、先生の周りには可愛い子が増えるばかり。


高校生になって、もう3度目の春を迎えようとしてるのに変わらず私の隣は空いたまま。


中学生の時は高校生になったら彼氏作る!なんて意気込んでいたけれど、高校生になってすぐ数学担当のさとみ先生に一目惚れ。


かっこよくて優しくて面白いさとちゃんは女の子に大人気だ。


だから少しでも話せる口実が欲しかった。
クラスの子に馬鹿な子だと思われる事よりもずっと、さとちゃんと話せない方が辛かったから、我慢した。


本当は数学は苦手じゃない。
得意って訳でもないが、ノー勉でも赤点回避は確実だろう。馬鹿を偽ってでも、さとみ先生のそばに居たかった。生徒で1番はAだって思ってくれるだけでよかった。それなのに、さとちゃんは一向に振り向いてくれない。私の事なんてちっとも恋愛対象にしてくれない。


「ねぇ、さとみせんせ」



'どうしたら私の事好きになってくれるの"



「なに改まって…どうかした?」




「…、やっぱりいいやごめん」




言えなかった二文字の言葉。
あぁ、やっぱり私はせんせいが、すきだ。

さとみくん×先生(02)→←はじめに。



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設定タグ:すとぷり , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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きなこ(プロフ) - なーくんが嫉妬する!みたいお話が見たいです! (2019年3月17日 18時) (レス) id: 32ff4e548a (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - らむねさん» 了解しました!リクエストありがとうございます。 (2019年3月17日 16時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き@今パンの上(プロフ) - コメント失礼します!夢主ちゃんにだけ見せる大人な顔(余裕そうな顔)×カッコイイるぅとくんで甘々お願いします (2019年3月8日 22時) (レス) id: 43927c5056 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 本当にありがとうございます!!さとみくんが先生なら理系だなって思ってたんですが、数学が合ってて設定から好きでした!!耳打ちはほんとずるいなって思いながらドキドキしました!本当にありがとうございました! (2019年3月8日 22時) (レス) id: 87b24c6783 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - そらさん» 了解です!リクエストありがとうございます! (2019年3月5日 21時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑞乃 | 作成日時:2019年3月5日 11時

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