不良カレシ -青-

7日目 ページ9

［Aside］



誰か、来る？




足音が聞こえた瞬間




皆の顔色が変わった




ななくんが適切な指示を出す




私は論くんと奥の部屋に隠れた





こ「よりによってあの本が貸し出されるなんて……」




今まで一度も貸し出されたことがなかったらしい





こ「A、怖い？」




そんなに怖くはない






こ「Aのことは僕が絶対守るから」






そう言って私の手をより一層強く握った




先「あれ、壁？





他には何もない……」




だんだんと足音が遠ざかっていく




な「はぁ……




やっと行った」




部屋の緊張が一気に解けた




さ「なんで急にあの本が…………」




る「あんな本でも読みたいと思う物好きがいたんでしょう」




な「もうここの部屋が見つかるのも時間の問題か……」



この部屋はこの学園が設立されてからずっと不良達のたまり場になっていたそうだ




ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ



チャイムだ



さ「そろそろ教室戻るか」




り「担任に怒られるよ、るぅとくん」



と口々に帰って行った



さ「ころん？」




こ「今行くから、先行ってて」





『どうしたの？』




こ「いや、なんか





Aと二人きりになりたかっただけ」





論くんは頬を赤らめながら言った





こ「ねぇA、





好きだよ」




『え……、うん…』




こ「もう、少しは恥ずかしがってよ」




『あ、ごめん…急だったから』




びっくりする方が大きかった



いつも余裕そうに言うから頭が追い付かなかった




こ「うぅん……





A。」





今度は何っ？！





と思いながら論くんの方を向くと






ﾁｭｯ





こ「んぅ、Aかわいい」





『えッ……』





こ「久しぶりにAとちゅーできた！」





心の底から嬉しそうな顔をする論くん





こ「もう一回したい」




そう言ってすぐキスをする




さ「おーい、ころん






遅すぎるって









あっ」






見てはいけないものを見てしまったかのような顔をする美紗くん





こ「さとみくん、今取り込み中







先行ってて」





さ「お、おぅ。ごめん」





さ(やっば、ほんとに付き合ってたんだ)




美紗くんはこのことを絵琉くんに報告するのでした





2021. 2. 8 22:57

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