彼女はかっこいい【すとぷり】

1：出会いは唐突に ページ2

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Aside




学校帰り



音楽を聴きながらゆっくり歩く。



途中でフラフラしている人を見つけた。目の下に隈があったから寝不足だろう。気をつけてな…



と思った瞬間、車のクラクションの音が鳴り響く。



音のした方を見るとさっきの人が引かれそうになっていた。



え…？



私の身体は勝手に動き出していた。



「なーくん！！！！！！？」



「ななもりさん！！！！！！？」



「危ない！！！！！？」



『危ないｯ！！』



気づいたら私は道の端に転がっていた。



その人の頭を守るように抱えたからあまり衝撃は来なかったと思う。



間一髪。



その一言に限る。



助けた人はさっきからガタガタ震えている。



無理もない、私ですらハラハラした。



「ぁ、ぁ、りがとうございます…ｯすみません、！」



『いいえ、お怪我はないですか…？』



「大丈夫です。」



私は抱きしめていた身体を離して立ち上がった。



『気をつけてください。助けられる人が近くにいないかもしれない、寝不足は良くないな。』



そう言って涙が流れている彼の目の下の隈を触る。



…………



初対面でこれはなかったか…？←



はぁ、またお人好しが発動してしまった…



まぁ、何はともあれ人の命を助けたんだ。



私が後ろを向き歩き出そうとした時、



震える手で袖を掴まれた。



「あのっ、さ、、同じ学校、だよね…？良かったら名前教えてくれない…？」



後ろからこの人を呼ぶ声が聞こえる。



まぁ、同じ学校だし、名前を教えないと失礼か、



『苺坂高校、2年、巫Aだ、よろしくな、』



今度こそ歩き出す。



また、こういう事がないといいが。





この時はまだ知らない。この出会いが、私の運命を狂わせることになるなんて。

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