STRAWBERRY DAYS [短編集]

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私の姿を見るなり、
椅子から立ち上がってこっちに向かってくる先生。









｢こんな時間まで何してたの？
もしかして勉強！？｣









『このままじゃ期末危ういんで1人で勉強してました』









｢偉いじゃん！
嬉しいな僕早瀬が頑張ってくれて｣









周りに花が舞ってそうな程
キラキラした笑顔で褒めてくれるころん先生。




…残ってて良かった。









『ありがとうございます…照
あ、あの、傘家に忘れちゃって、
借りに来たんです』









ころん先生を前にして、本題を忘れていた。
早く帰らないとお母さんに心配される。









｢ああ！
ちょっと待ってね〜｣






私の言葉を聞くなり、先生は職員室の奥に向かっていった。




残った甲斐があった。


いつも先生の周りには生徒が沢山いて、
私はなかなか話せない。
グイグイいけるタイプじゃないもん…


だから今、とても嬉しい

私今先生を独占してる、
バチ当たんないかな()









……
暫くして、先生が戻ってきた。









…あれ。









．









。









｢ごめん早瀬…
傘全部借りられてたわ…｣









…え。









▷学校に泊まる。
▶︎濡れながら帰る。








私の脳内にゲームのような分岐が登場した。

…濡れながら帰るしかないじゃん。









また憂鬱な気分に苛まれ、
私は項垂れる。









はずだった。









．









．









．








．








．









｢僕今日車で来てるし送るよ
早瀬勉強頑張ったし！｣









『…え。』





ええええええええ！？！？



え、まじ…？のやつ…？？？？


先生に車で送って貰うってこと？？え？？








『そんな、申し訳ないですよ！！
濡れて帰ります！！！』





願望とは反対の言葉を口にしてしまう。

正直めちゃくちゃ嬉しい。
嬉しい以外のなんでもない。


先生と帰れる…？
先生の車…？









．









．









｢いやいや風邪ひかれたら困るしw
気にしなくていいから僕に送らせて？｣

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