はじめました、第五人格 ページ2
『えぇ!?また捕まっちゃった、、。』
一瞬の事だった。大きいピエロが私を殴って、私は風船に吊るされて…
まぁ、ゲームのことなんだけどね…
『も〜、全然出来ないよ〜…!!!』
情けなくも捕まって身動きが取れないでいる、画面越しの私のキャラクター。
可愛いって理由で選んだから、なんの特性があるキャラクターかも分からないし。
さっきから捕まってばっかで、
チームの足を引っ張ってばっかりだし、辞めちゃおうかなぁ、このゲーム。
私にはまだ早かったか、ともうすぐ終わりそうなゲーム画面を見ながら思う。
そもそもゲーム全般苦手な私がこのゲームを始めたのは、友達の影響でだった。
ありとあらゆるゲームをやり尽くしてる女の子で、携帯で無料で出来るからインストールして欲しい、一緒にやって欲しいと頼まれた。
苦手ではあるけど人並みにはゲームは好きだから、軽い気持ちで入れたけど…
難しすぎた。
チーム戦のようだから、いざ友達とやった時に迷惑をかけないよう、まずは一人で練習しようと意気込んだものの、全く上達しない。
攻略サイトを見てみても、ゲーム用語ばかりで全くもって分からなかった。
そのせいでさっきからずっと、ランダムでチームが組まれては、顔も知らない味方の足を引っ張ってばかり。
すぐハンターに捕まっては助けてもらい、また捕まっての繰り返し。
解読やら回復やら分からないことばっかりだし、なんだかひとりぼっちになったような感覚で。
寂しい。
辞めちゃおうかな。
そんな時だった、
また何度も繰り返し捕まって、チームの仲間の足を引っ張ってた時。
なんならもう、私を置いて味方が逃げるなんてこと良くあったし、
今回もそうしてくれと思ってたけど、
何度も何度も、捕まる私を助けに来てくれる人がいた。
『この人優しい…』
思いがけないヒーローの登場に、なんだかちょっぴり感動していると、
着いてこい、と言うように私の前をぐるぐると回るそのキャラクター。
『は、はい!』
直接言われた訳でもないのに、一人で携帯に向かって返事したりなんかして。
その人の後ろをずっと追いかけた。
その人が走れば走って、止まれば止まって。
それすらも私にとっては難しいけれど、必死に頑張った。
すると、なんと初めて脱出に成功したらしい。
自分でやった事じゃない気もするけど、
ただただ嬉しかった。
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作者名:ぽよ | 作成日時:2020年5月29日 5時