◇3話◇ ページ4
｢ねぇ、エマ。せっかくのお誘い嬉しいんだけど、どうして？｣
別に特に親しい訳では無いしハッキリ言って彼らはいわば陽キャ。むしろ陽キャでしかない。
それに対して私は陰キャとまではいかなくとも目立たない系のモブだというのは自覚してる。
｢レイが誘ったらって言ったの。それに、モナとはちょっとしか話したことないな〜って思って。ノーマンもいいよって言ってくれたし！｣
歩きながらニコニコとこちらに笑いかけてくれるエマが前を向いた瞬間、レイくんにジロリと視線を投げた。
いじわるね、と。
｢いーだろ。すぐ近くだし、宿題もついでに終わらせるんだから。｣
予想通り私の視線から言葉を読んだレイは感謝しやがれ、というように目を細める。
……分かってるくせに。
｢ファミレスで宿題なんて高校生って感じだよね〜！｣
憧れてたんだ、と顔を輝かせるエマの後ろにピンぼけしたノーマンの顔。
なんて、隙がないんだろう。
今こうしてちらりと伺い見たことさえバレているような気がした。
｢中学までは門限厳しかったしね。でも晩御飯までには戻るから食べるなら軽めにだよ、二人とも。｣
｢んな事わかってるよ。エマじゃあるまいしちゃんと考えてるって｣
｢なにをー!!私だってちゃんとわかってたもん！｣
私はいつの間にか、3人の半歩後ろを歩いていた。
明るい雰囲気が少し眩しくて、私が溶けてしまいそうに感じていたからかもしれない。
どうも彼らを、いや、エマを見てると私だったはずの過去の私を思い出してしまう。
中学の最初までは私もきっとあぁだったのに、何があって今の私になったんだろうってそんな答えのない取り留めのないことを考えてしまうのだ。
あのときの周りの環境のせいだってことは嫌になるほど頭でわかってるのに、それ以外のどこかはまだ別の答えを探そうとしている自分がいる。
｢違う、今の私はどうかしててあの頃の輝いてた私が本当の私なのだ｣と今の私を否定する。
過去の栄光に縋るのもいい加減にしなさいって言っているのに。
私のどこかは私のものであるにも関わらず言うことを聞いてくれなくて
ファミレスに着いてはしゃぐ声も、いつもの穏やかな笑い声も、ぶっきらぼうに促す声も
すぐ目の前で発せられているはずなのに厚いガラスを挟んだかのように私には遠く感じられてしまって仕方ない。
本当は頭はずっと前から気づいてるんだ。
私は、エマが、羨ましくてたまらない
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ドロテア(プロフ) - りんさん» 返信遅くなり申し訳ないです...！勿体なきお言葉、とても嬉しいです。ありがとうございます。これからちまちま更新していけますので何卒よろしくお願いします (2019年7月5日 23時) (
レス) id: c848795b2e (このIDを非表示/違反報告)
りん - 今まで見た約ネバ小説の中で一番好きです…！ (2019年3月15日 23時) (レス) id: 1cb00f02b2 (このIDを非表示/違反報告)
ドロテア(プロフ) - 相沢恋さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！最近はなかなか更新できていませんが今後もよろしくお願いします (2019年2月4日 22時) (レス) id: c848795b2e (このIDを非表示/違反報告)
相沢恋(プロフ) - うーむ、切ない！！とっても面白いです。更新されるたびに見てます！これからも頑張ってください！！ (2019年2月4日 18時) (レス) id: 49ab268cae (このIDを非表示/違反報告)
ドロテア(プロフ) - ひなこさん» 本当ですか!!嬉しすぎて言葉もございません…。これからも何卒よろしくお願いします (2019年1月24日 21時) (レス) id: c848795b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドロテア x他1人 | 作成日時：2019年1月22日 0時
