風邪をひいた日〈ルフィ〉 ページ3
「やばい……」
この日私は珍しく体調を崩してしまったらしい。
体温を測れば38度。
そこそこ高いし頭も重いし痛い。それに暑いからぼーっとするしもう散々。
部屋から出る気にもなれないし、そもそも大人しくしといた方が良さそう。
もう食べるのも面倒くさい。
もう一度ベッドに横になり目を瞑る。
あー、そういえば昼頃に物資調達のために島に着くんだった。
それに、今日はそれと大事な用事があったのに…。
ため息をついているとなかなか私が顔を見せないからかナミが女部屋へと入ってくる。
「どうしたの?A、随分今日はお寝坊じゃない。」
「ごめん、風邪引いたかも…」
「はぁ!?なんでもっと早く言わないのよ!!昨日もなんか肌寒いって言ってたのにルフィ達とはしゃいでるからよ!!」
まったくもってその通り。
ナミのお説教を聞きつつこんなにしんどいなら昨日大人しく寝ればよかったと心底反省。
「…全くもう、仕方ないわね。今日は大人しく寝てるのよ?ルフィにも言っておくから。」
「うん、よろしく…。ごめんって伝えて。」
ナミが部屋を出るのを見送って再び目を閉じる。
時計の音しか今は聞こえない。
とろとろと眠りに落ちそうだったそのとき、いきなり扉がすごい勢いで開いた。
「うわっ」
「A!!大丈夫か!?」
「ルフィ…?」
見れば我らが船長、そして私の恋人であるモンキー・D・ルフィの姿が。
「おいコラ、ルフィ!!Aちゃんは風邪なんだ!うるさくすると体に響くらしいじゃねぇか!引っ込んどけ!」
「いや、おめぇも十分うるせぇよ!!」
その後ろからサンジとチョッパーがガヤガヤしながらこちらを伺っている。
「おいチョッパー!A死なねぇよな!」
「とりあえずお前が静かにしろっ!!」
チョッパーに一喝され、おそらくゾロのであろう腕に引っ張られたことで部屋からルフィはつまみ出されてしまった。
そこへサンジによってベッドの上に簡易机みたいなものが置かれる。
多分、フランキーが作ってくれたのだろう。
その上に湯気の立ちのぼるお粥と水、錠剤が乗せられる。
「A、今はゆっくりちゃんと休めよ!あと、薬置いとくから食後にちゃんと飲むんだぞ!」
「ありがとう、Dr.チョッパー。」
「俺は栄養満点のお粥を作ってきた。食欲なければスープにするけどどうする?」
「ううん、多分食べれる。ありがとうサンジ」
2人にお礼を言うと「とにかく安静にしていろ」と念を押され、また部屋にはひとりきりとなった。
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水無月歌恋(プロフ) - すっごく読みやすかったです。応援してます! (2022年6月26日 17時) (レス) @page17 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えんぴつ | 作成日時:2022年1月17日 4時