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宮治 ページ34





すう、と目を細めて笑う。
こわい。初めて彼にそう思った。




「………告白する勇気がない自分、迷惑かけたない、そういうちゃんとして見える理由の裏に隠れて、…逃げとるだけなんやろ」



「…そんなことっ!」
「振られたらどうしよう」




「そんなことばかり考えてん、怖いんやろ、だからそうやって、必死に言い訳しとるんや」



似たようなのが、もう一人おってなあ。…そっちはツムがどうにかしてんのやろうけど。



じろり。
こちらを見つめる視線が、こわい。




「逃げててそれで楽になれるん?」




…………うる、さい。







「……自分に言い聞かせて、随分と余裕そうやないか」






……そんなんじゃない。






「っ、違う!!」




口から零れ出た否定の言葉は、思った以上に強い声だった。
目の前の、強くて怖い瞳が微かに揺れる。

はじめてだ、彼の前で大声を出したこと。だからきっと、彼は、びっくりしたんだろう。



……なにも違うくなんてない。
宮くんの言っていることは、全部、全部正しいはず。


怖い。
そりゃあ、こわい。

好きな彼。
振られるなんて、そんなの、


……怖くて嫌に、決まってる…!





「話せて嬉しい!!嬉しいよ…っ、

でも、これで充分なんて、そんなわけない…!!」



もっともっと話したい。
もっともっと、いろんな君がみたい。
もっともっと、近づきたい。


溢れる欲望。
ああ、あ、あああ。




「……私は」




一度も言えなかった言葉。
本人の目の前でもなんでもないのに、自然と避けていた言葉。


迷惑。
邪魔。

必死な言い訳。







それでも、私がひとりで抱えるには大きすぎて、それは、怖いなんて簡単な言葉で表せるものなんかじゃない。

きっと、もっと大きななにか。






「……っ、私は角名くんが好きで、角名くんも私のことが好きなんて、そんな奇跡みたいなこと、」






気づいたら、泣いていた。


全部、あふれた。
ぜんぶ、こぼれた。









「…ありっこない!!!」






本当は、全部わかっていたのに。

ついてない→←16:45



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(プロフ) - 投稿された当時からずっと大好きで、ふと思い出しては読みに来てます!!最高です!!残してくださってありがとうございます(> <)!! (7月9日 12時) (レス) id: 6f4d1e3f85 (このIDを非表示/違反報告)
花江(プロフ) - チャイさん» 誤字あったので再度失礼します、既に目を通されていましたらすみません…;;チャイさん〜!!新年からとっても素敵な感想ありがとうございます;;初投稿ですごく拙い文章ですが最後まで読んでいただけて嬉しい限りです;;こちらこそありがとうございました…!!;; (2019年1月10日 0時) (レス) id: cf4a10af8b (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 泣きました、ほんとに泣きました。まず文体がぽわぽわしていて、角名くんと女の子の青くて淡い恋心がとても伝わってきました。それから侑くんが男子高校生って感じですごく好きです。思わずラストは大の字になって倒れました。素敵なお話をありがとうございました! (2019年1月4日 18時) (レス) id: 26170b8b11 (このIDを非表示/違反報告)
花江(プロフ) - ゆうさん» 読んでいただいてありがとうございます…!コメントもとても嬉しいです;;そういっていただけてよかったです、ありがとうございます…! (2018年8月1日 15時) (レス) id: cf4a10af8b (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 両片思いが実るまでが素敵でした…!可愛いお話ですごく好きです! (2018年7月17日 19時) (レス) id: 3710aecabb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花江 | 作成日時:2018年4月14日 19時

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