一生懸命 ページ27
▽
授業は、至って普通に進んだ。
寝ている設定になっている俺は、ずっと頭を下げていた。
気持ちやら、なんやら、こっちの方がずっと楽だったからだ。
静かな教室には、先生の声とシャーペンを走らせる音が響いていて、それはもちろん、隣からも聞こえる。
全部がいつも通りだ。
…ただ、俺の心を除けば。
ぐちゃぐちゃ。
頭ん中とか、関係とか。
言いたいこととか、ぜんぶ。
ああ、三角関係とかほんとにあんだな。漫画だけだと思ってた。そもそもあんま読まないけど。
ボロボロ泣く主人公の気持ちが、今ならわかる。叫んでやりたい。なんでだよって。
だって、知ってたじゃないか。
ばれてたじゃないか。
浮かれてた自分がバカみてえ。
周りが全く見えてなかった。
だから知らない間に、こんなことになってんだろ、なあ、俺。
ああ。
いつの間に、こんな一生懸命になってたんだろう。
いつから、こんなに頑張ってたんだろう。
なんか、全部。バカみたい。
･
結局、授業の終わりを知らせられるまで、俺はずっと突っ伏していた。
我ながら子どもすぎると、そう思う。
午後の授業は全然、もう全くと言っていいほど集中できずに、終わった。
集中なんて、そんなの、どっかの新しくくっついたカップルに全部持ってかれたし。良くはないけど。
部活も、心がどっか行った状態で、北さんに怒られた。あーもう、マジで最悪。
なんとか最後までやりきった時には、もう時間は遅くて、部室に重い体(とかいいつつ重いのは完全に心)を引っ張る。
自分のロッカーの前にある長い椅子にどさっと落ちれば、「なんや？」「角名大丈夫か」なんて、優しい声が聞こえる。
それを全部ゆっくりと噛み砕く余裕なんせこちらにはなくて、「あーハイ」と気を遣わせてしまうような返事しかできなかった。
暫く座っていると、はよ着替え、と勝手にロッカーを開けたらしい侑が、俺に制服を軽く投げる。治も、いた。
こちらを心配するような目をして、立っていた。結局、この日はそのまま解散になって、悶々とした何かは、次の日まで連れることになった。
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ﾙ(プロフ) - 投稿された当時からずっと大好きで、ふと思い出しては読みに来てます!!最高です!!残してくださってありがとうございます(> <)!! (7月9日 12時) (
レス) id: 6f4d1e3f85 (このIDを非表示/違反報告)
花江(プロフ) - チャイさん» 誤字あったので再度失礼します、既に目を通されていましたらすみません…；；チャイさん〜!!新年からとっても素敵な感想ありがとうございます；；初投稿ですごく拙い文章ですが最後まで読んでいただけて嬉しい限りです；；こちらこそありがとうございました…!!；； (2019年1月10日 0時) (レス) id: cf4a10af8b (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 泣きました、ほんとに泣きました。まず文体がぽわぽわしていて、角名くんと女の子の青くて淡い恋心がとても伝わってきました。それから侑くんが男子高校生って感じですごく好きです。思わずラストは大の字になって倒れました。素敵なお話をありがとうございました！ (2019年1月4日 18時) (レス) id: 26170b8b11 (このIDを非表示/違反報告)
花江(プロフ) - ゆうさん» 読んでいただいてありがとうございます…！コメントもとても嬉しいです；；そういっていただけてよかったです、ありがとうございます…！ (2018年8月1日 15時) (レス) id: cf4a10af8b (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 両片思いが実るまでが素敵でした…！可愛いお話ですごく好きです！ (2018年7月17日 19時) (レス) id: 3710aecabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花江 | 作成日時：2018年4月14日 19時
