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会議の時間 ページ25





いつの間にか、しれっと俺をいじる時間と化した昼休み、今日は誰からどう見てもわかる変化。

「こりゃ作戦会議やな〜!!」何が作戦だ、と悪態を付きたくもなったけれど、
角名、お前さんのためやからな!とモテモテのこいつが手を貸してくれるらしいから、そこは黙っておく。



「んー、で?サムと瀬名さんがこうやって昼休みラブラブな時間過ごすんは今日が初めてなん?ドキドキやなあ」
「……侑さ、俺の気持ちわかってそれ言ってんの?」



さあな〜と頬を緩ませたまま、笑う。
…こいつ、マジなんなんだ。
こっちはかなり焦ってるってのに。



__焦ってる。確かに、そうだ。


けど、なんでだ。





「まあま、角名はなんでそうなっとるのかが知りたいんやろ?
それで、サムから行くのはありえへんとして、瀬名さんから行っとるんやったら、


………もう答えは出とるんちゃうの?」




…わかっては、いる。
けど、認めたくなんか、ない。



瀬名が、治を好きかもしれないこと。
今回でわかった。それが、確信に変わる。




「そんなしけた面してどうするん」恋愛初心者か!とケラケラ笑う侑の言葉。

いつもならさらっと流せるのに、何故だか胸に刺さって、無性に泣きたくなった。



……かっこわるい。




そんな俺の状態を察してかどうかは知らないけれど、突然静かになった侑。
沈黙が落ちる屋上は、温い風が吹いていた。



…撃沈。
ぴったりな言葉だ。俺に。




「……サムが受け入れるってことはせえへんと、思うんやけどな」
「………」

そうで、あってほしい。






「…どうしたらええんのやろな」


負け確定でも、諦めたくない。

必死みたいで、頑張ってるみたいで、
随分かっこわりぃな、俺。




ああ、そう。


瀬名の気持ちがわかったとき、俺はそう思った。
自分でも、思う。あっさりしてんなって。

その程度の気持ちだったのかと言われれば、全力で否定できるし、今まで見てきた笑顔が、俺じゃない誰かに向けられるなら、それも全力で嫌だ。


独占欲だけ強くて、そうやって、なにもしないとか。マジで




「……かっこわる」

苛立ち→←どろどろ



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(プロフ) - 投稿された当時からずっと大好きで、ふと思い出しては読みに来てます!!最高です!!残してくださってありがとうございます(> <)!! (7月9日 12時) (レス) id: 6f4d1e3f85 (このIDを非表示/違反報告)
花江(プロフ) - チャイさん» 誤字あったので再度失礼します、既に目を通されていましたらすみません…;;チャイさん〜!!新年からとっても素敵な感想ありがとうございます;;初投稿ですごく拙い文章ですが最後まで読んでいただけて嬉しい限りです;;こちらこそありがとうございました…!!;; (2019年1月10日 0時) (レス) id: cf4a10af8b (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 泣きました、ほんとに泣きました。まず文体がぽわぽわしていて、角名くんと女の子の青くて淡い恋心がとても伝わってきました。それから侑くんが男子高校生って感じですごく好きです。思わずラストは大の字になって倒れました。素敵なお話をありがとうございました! (2019年1月4日 18時) (レス) id: 26170b8b11 (このIDを非表示/違反報告)
花江(プロフ) - ゆうさん» 読んでいただいてありがとうございます…!コメントもとても嬉しいです;;そういっていただけてよかったです、ありがとうございます…! (2018年8月1日 15時) (レス) id: cf4a10af8b (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 両片思いが実るまでが素敵でした…!可愛いお話ですごく好きです! (2018年7月17日 19時) (レス) id: 3710aecabb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花江 | 作成日時:2018年4月14日 19時

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