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帰り、最寄りの駅から家までの道を歩いているときに見てしまった。
横断歩道の向こう、神ちゃん先生の腕を掴み何か言葉を発している綺麗な女の人。
呆然とそれを見ていると、神ちゃん先生が私に気づいたようで驚いた表情でこちらを見る。
わかっている。あれを見て仲良さげな雰囲気とは思わない。
でも、不安な気持ちが勝ってしまう。
あの女の人は誰？
神ちゃん先生と親しげだ。
もしかして…葵さん？
その考えが頭の中に浮かんだ瞬間、その場から走り去ることしかできなかった。
どこに行くわけでもないが、ただ、あの場にいることは出来なかった。
走ることに疲れを覚えて、どこだかわからないが座り込んで息を整える。
「はぁ…久々に走った…」
ぜぇぜぇと乱れた息を整えていると、後ろから「Aちゃん、走るの早いなぁ」と神ちゃん先生の声が聞こえた。
驚いて声をあげようとしたが、呼吸が乱れすぎて声もでない。
聞きたいことは沢山あるのにやっとの思いで私の口から出たのは「水…」だった。
それを聞いて神ちゃん先生は一瞬きょとんとし、「待っててな」とこの場を離れたかと思うと、数分もしないうちに「大丈夫？」と私の手にスポーツドリンクが握らされた。
もうその頃には普通に息をすることができるまでに回復し、飲み物を摂取するとカラカラだった喉が潤う。
「歩ける？」
「大丈夫です」
「んじゃ、ゆっくり帰ろ」
隣に並びゆっくり足を進める。
「Aちゃん、見てたと思うけどさっきのは…」
神ちゃん先生が話をしようとしているのを「待って！」と制する。
「やっぱり葵さんが良いとかは無しですからね…」
「そんなこと言わんよ。付き合ってた人に振られたんやって」
振られた、という言葉にたいして心の底で「自業自得だ」と思ってしまった自分に驚く。
私は何て嫌な人間なのだろう。
「やっぱり智洋がいないとだめなの、って。今さら都合良すぎんねんって話」
「神ちゃん先生は渡さないです」
そう言うと驚いた表情をしたあと、嬉しそうな顔で私を抱き締めてくる。
「ここ、外なんですけど！」と言っても聞いてくれない。
それに、意外と力が強い…。
私を抱き締める腕をほどこうとするがピクリともしない。
「神ちゃん先生って意外と甘えたさんですね」
「…ばかにしとる？」
「どうでしょう？」
年の差は越えられない壁で、私も神ちゃん先生もこれから社会に出ればたくさんの出会いがある。
「大好きやで」
___fin
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れみ(プロフ) - とても読んでて続きが楽しみになりました！ 後誰がなんのセリフを言ってるかわかるとありがたいです。更新頑張ってください！ (2018年5月21日 16時) (
レス) id: 568c351ff4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - すごくｷｭﾝｷｭﾝします！続き、楽しみにしてます！！ (2018年5月20日 11時) (レス) id: ec89f148c8 (このIDを非表示/違反報告)
かみこた - 続きが気になる！更新頑張ってください！ (2018年1月7日 23時) (レス) id: 42238d61a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*sora* | 作成日時：2017年12月25日 0時
