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「神ちゃん先生…？」
勉強を始めてからも、神ちゃん先生はボーッとしてることが多かった。
「神ちゃん先生！！」
「え！？あ、はい！」
「なんかありましたか？神ちゃん先生らしくないです」
私がそう言うと、「俺らしいってなんやろうな…」と小さく呟いた。
「彼女に浮気されてるんよ。きっと、俺が遊び」
「浮気！？」
「それはずっと前から知っとることやった。高校卒業して、進路が別々になって、少しずつ葵との間に距離ができてた」
ぽつりぽつりと話す神ちゃん先生は今にも消えてしまいそうなぐらい小さかった。
ただ、私にはなにもできない。
「ほら、女の子って傍におってくれるやつのがええやろ。職場でほぼ一日一緒におって、きっと年上。そんなぽっと出のやつに葵とられてしもた」
「でも、この間久しぶりのデートだったって…」
「途中で帰ってもうたよ。仕事のトラブルやって。でも一番何が悔しいって、あの男のところに行くってわかってて止められんかったことや…」
なにもできないこの気持ちがもどかしい。
「俺、どうしたらええんかな…」
「どうしたいんですか」
「え？」
「どうしたらいい、じゃなくて。神ちゃん先生はどうしたいんですか。今後、彼女さんとどうなりたいんですか」
「どうなりたい…」
「まだ好きならどうにか自分に振り向かせるしかないし、ただ長く付き合ってきたから成り行きでってことなら、この機会に別れるとか。いろいろありますよ」
ろくに彼氏もいたことのない私が説教じみたことを言うなんて、変な話だ。
しかも、相手は神ちゃん先生。
「Aちゃんにとっては何が"好き"？」
「会いたくて仕方ないとか、一緒にいたいとか」
「うん」
「誰かになにかを話したいと思ったときに、一番最初に思い浮かぶ人」
ちょっと言ってることがメルヘン過ぎた気がする。
「そっか…」
「神ちゃん先生」
「ん？」
「私、神ちゃん先生のことが好きです」
何を言っているのか。
それを今、言う必要があっただろうか。
＿＿＿無い。
「忘れてください。真面目に勉強します」
ペンをもって、問題を解く。
…が、全然集中できない。
その日は、ろくに神ちゃん先生と会話をしなかった。
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れみ(プロフ) - とても読んでて続きが楽しみになりました！ 後誰がなんのセリフを言ってるかわかるとありがたいです。更新頑張ってください！ (2018年5月21日 16時) (
レス) id: 568c351ff4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - すごくｷｭﾝｷｭﾝします！続き、楽しみにしてます！！ (2018年5月20日 11時) (レス) id: ec89f148c8 (このIDを非表示/違反報告)
かみこた - 続きが気になる！更新頑張ってください！ (2018年1月7日 23時) (レス) id: 42238d61a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*sora* | 作成日時：2017年12月25日 0時
