素直なお前は犬っぽいな【ni】 ページ17
※ただの自分への応援。
皆さまの応援にもなれば幸いです。
__________…
先程からうんうん唸る背中に小さく苦笑する。
頑張れ、学生の本分は勉強やで。そう口に出してしまえば彼女の機嫌を損ねてしまうのは分かっているから、心の中でだけで止めておく。
『ん〜、...が、ここは、...〜、』
何を言ってるかも聞き取れないくらいにボソボソと呟きながら、右手が忙しなく動いている。
今時珍しいプラスチックではない木の勉強机が紙上のシャープペンシルの刺激を受けてコトコト鳴っている。
『...、...。』
相も変わらずブツブツ呟く彼女の脇。拾われてから一年以上経って家にすっかり馴染んだ猫が構ってほしそうに鎮座していた。五分ほどじっとしていたが、我慢の限界とばかりに彼女のもつシャープペンシルをつつく。
『あ、こら、ダメ、』
勉強を始めてから、初めてハッキリと喋ったその声に嬉しさを感じてしまうあたり、俺はだいぶ重症なのだと自覚した。Aが足りない。でも邪魔もできない。
猫は相変わらずAにじゃれついていた。挙句の果てには広げたノートやプリントの上に乗っかり、Aの顔に自身の顔をすり寄せている。
初めは軽く怒っていたAも、それにはすっかり甘やかす飼い主の顔になってその頬は蕩けていた。
『もう、勉強しなきゃなの〜、』
猫撫で声、とはまさにこの事。癒されている所悪いが俺だって構って欲しいのを我慢しているのだ。俺は立ち上がって猫を抱き上げる。んなぁ、と文句を言われた。しゃーないやろ、俺も我慢してんねん、分かるか？
『にーさん、』
「ほら、頑張りや。」
『！...うん、』
俺に頑張れ、と言われて心底嬉しそうに笑う顔が可愛くてたまらない。思わず頭を撫でて頬に口付けてやれば、ふふ、と胸を擽るような声で笑った。
『...よーし！頑張るぞー！』
先程よりも早く動き始めたシャープペンシルがまた子気味いい音を立てる。
猫は不服そうに俺の腕の中で身をよじっていた。
恐らく抱き方が下手くそなのと、タバコの匂いが嫌なのだろう。
「...すまんなあ、おれ犬派やねんな、」
遊び方分からんけど許してやーと言って猫じゃらしを取り出せばAがクスクスと笑ったのが聞こえた。
_______…
なんかniさん全然書いたことなくね？ってなって衝動書き+テスト期間で萎え気味なので。
niさんの最後のセリフとタイトルを照らし合わせると少しだけ納得できるかもしれません。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃ汰。(プロフ) - 了解しました。続きで書くのでしたら是非拝見させて頂きます。宜しければ続きである事を表記していただけたら幸いです。楽しみにしています。 (2019年10月5日 14時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名０３(プロフ) - ちぃ汰。さん» ひたすら毒素の詰め合わせ、と言う短編集にて毒素の話として書こうと思っています。よろしければ閲覧していただけると幸いです。 (2019年10月5日 13時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 絶対匿名０３さん» コメントありがとうございます。続きを書いていただけるのでしたら是非拝見したいです。もしよろしければどちらの作品で書かれるのか教えていただけないでしょうか。ありがたいお話ありがとうございます。 (2019年10月5日 12時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名０３(プロフ) - リクエストではないのですが、シリーズ最初のApple Tarteの４９話（キュラソーを濁らせて）の話の個人的な続きを書きたいのですが、よろしいでしょうか？なるべく作風や元の口調等が崩れないように注意するつもりです。ご返答よろしくお願いいたします。 (2019年10月5日 8時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 暁さん» こんなに長く読んでいただけてるのを知れて嬉しかったですよ、本当に！ こちらとしては皆様のコメントはとても励みになるのでありがたいです...！ 是非またリクエストでもなんでもコメントして下さると嬉しいです。 (2019年9月5日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2019年6月22日 0時
