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バリバリと鳴る光で一瞬明るくなった部屋に目を細める。時刻は22時52分。
｢...Aちゃん、大丈夫やろうか…。｣
tn｢...タイミング悪い雨やなあ、｣
トントンと2人でため息をついた。窓の外がまたも光る。トントンは部屋を出る動きをした。
tn｢...程々にして、寝たがええよ？｣
｢トントンブーメラン刺さってるで｣
ふん、と互いに鼻で笑った。パタリと扉が閉まり、軍靴の音が離れていく。
雷と雨以外の音はここにはなかった。時々ジッポの音が響くだけ。灰皿の底はとっくに見えなかった。
俺1人になった部屋に煙が充満する。時刻23時49分。日付けが変わりそうだ。
｢...寒いやろうに、｣
どこで何しとるんやろう。
そう言いかけて息を飲んだ。ぎい、と後ろの扉が開く音がしたのだ。驚いて振り向くと、そこには待ち望んだ姿。
｢Aちゃん...｣
浅い呼吸を繰り返して白く息を吐く彼女。
雨に濡れた唇はお世辞にもキレイとは言えぬ色をしていた。白い肌はさらにその色から血色を抜かれ、黒く濡れた長い髪からは幾筋もの水が流れている。
｢！？まさか、この雨の中雨避けもせず帰って...？｣
『...ごめ、』
｢え？｣
唐突に話を切られる。自分のジャケットを慌てて着せても彼女は震えていた。早く風呂に入れてやりたいが彼女は珍しく俺の両腕を弱々しく掴み、訴えかけている。
頬に流れるそれは何も雨だけではなかったようだ。
ぽたぽたと涙を流しながら彼女は言う。
『間に合わなかった...誕生日、』
｢...え｣
『ごめんね、』
｢でも伝書鳩、送ってくれたやん、｣
『直接言いたかった。』
悪い事をした子供のように縮こまっている癖に濡れた髪の隙間から見える瞳はゆらゆらと揺れて艶やかだった。そっと冷えた頬に手を寄せ、口付ける。冷たいそれはひと月前より荒れていた。
｢帰ってきてくれたことが、1番うれしいわ。最高の誕生日プレゼントありがとうな。Aがおらん間、寂しかったんやで？｣
『...優しいね。』
せやろ？とりあえず風呂入ろうか、と笑えば、彼女は漸く笑顔を見せた。
現在、午前0時00分。
________…
テスト期間ということをお知らせせずに失踪していた作者です。(すいません)
大先生おめでとうございました(大遅刻)。
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ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» うわああありがとー！！そんな忙しい時に見てくれてありがとうね！！毎度毎度コメントしてくれてほんと嬉しい！マジでありがとうね！！ (2019年3月4日 14時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - お疲れ様！ずっと全部読んで、更新の度に喜んでた笑 ラストもちぃ汰らしい終わり方でめっちゃ好きやし、全部の話大好きやった！またもし新作が出来たら変わらずすっ飛んで行くね！取り敢えず、お疲れ様でした！50話おめでとう！！ (2019年3月4日 6時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 葉月さん» コメントして下さって、また褒めていただきありがとうございます。少しずつ更新していけたらと思いますので、どうぞこれからも宜しくお願いします。 (2019年1月27日 9時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - はじめまして。素晴らしい作品をありがとうございます！……ただそれが言いたかっただけです。 (2019年1月27日 4時) (レス) id: 87837aefcb (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ま、満足頂けたようで何より！！ それそれ！甘々なのじゃなくてもっとフレッシュさあるよね！(？) (2018年12月17日 17時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2018年12月10日 11時
