聞いて【ut】 ページ22
A、聞いてくれますか。
僕のささやかな反省文を。
僕のささやかな後悔を。
僕はほんまに君の事を愛してたんやで。
ねえ、戻ってきてくれるなら何をしたって構わない、何を捨てたって構わないんだ。
ごめんな、ごめんな。
僕が情けないから。知っとるよ。
頼りないし、ふらふらしとるから。
分かってんねん。
A優しいから僕甘えてたんや。
俺の事なんて全部分かってると思ってたんや。
君が、好きで好きでたまらんかったんやで。
Aはいつだって俺のこと信じてくれとった。
何があっても俺を褒めて慰めてくれた。
絶対に僕を責めたりせんかった。
ほんま泣かせるよな、ええ女や。
だけど、Aは。俺は。実は肝心なとこはちっとも分かっとらんかってん。
｢なあ、だからこないなことになってんねやろ？｣
目の前に広がる血の海。
その底に横たわるA。
白い肌にべったりと張り付いた黒い髪は接着剤の赤と混じり、綺麗に映えていた。
グルちゃんが焦ったように連絡をくれた。
Aが危機だ、と。いや、その身に危機を負って国から離れたと。
この国の禍を一身に受け止めた。耐えきれなかった部分が破裂してこの海を作ったのだ。
｢A...、死んでないんやろ、ほんまは。目、開けてや。また俺の名前読んでや、ほら。俺はここに居るんやで？A...、なんとか言ってや。｣
パタパタと後ろから数人の足音がした。背を向けた扉からグルちゃん達の息を呑む声が聞こえた。
｢大先生...、｣
｢A...、こんなに本気で人を想った事初めてなんやで？君がピンチやって聞いた時、俺心臓潰れるかと思った。今も痛いねん。｣
血の海に座ってAをゆっくりと抱き起こす。
まだ生温くて、でも最早人の体温でないそれが、余計腹立たしくて。氷のように冷たかったなら、俺の目も覚めたかもしれないのに。
｢大先生、やめろ、Aはもう、｣
｢知ってんで。分かってんで。Aはもう戻って来おへんのやろ。｣
なあ、なんで犠牲になんてなったん？
なんであんなメッセージ残していったん？
『''...み、な...、今まで、ありがとう...鬱く...も、そう、伝えて...もう、重荷は居ないから、て...''』
Aの残したラストメッセージに、皆が顔を顰める。
血の海に一筋透明な雫が落ちた。
｢大先生、お前、｣
｢俺はお前の事を重荷なんて思った事ないで...？｣
悔やんだ所で君に言葉は届かない。
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ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» うわああありがとー！！そんな忙しい時に見てくれてありがとうね！！毎度毎度コメントしてくれてほんと嬉しい！マジでありがとうね！！ (2019年3月4日 14時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - お疲れ様！ずっと全部読んで、更新の度に喜んでた笑 ラストもちぃ汰らしい終わり方でめっちゃ好きやし、全部の話大好きやった！またもし新作が出来たら変わらずすっ飛んで行くね！取り敢えず、お疲れ様でした！50話おめでとう！！ (2019年3月4日 6時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 葉月さん» コメントして下さって、また褒めていただきありがとうございます。少しずつ更新していけたらと思いますので、どうぞこれからも宜しくお願いします。 (2019年1月27日 9時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - はじめまして。素晴らしい作品をありがとうございます！……ただそれが言いたかっただけです。 (2019年1月27日 4時) (レス) id: 87837aefcb (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ま、満足頂けたようで何より！！ それそれ！甘々なのじゃなくてもっとフレッシュさあるよね！(？) (2018年12月17日 17時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2018年12月10日 11時
