刻む【sh】 ページ15
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かさり。紙と机が擦れた。
風に煽られて、置いた後もかさかさと細かな音を立てる。
封を切るため、裏返しにすると端正な字で宛名が書いてあった。冗談で手紙とかも欲しい、と自分がわがままを言ったのに、随分とまめにくれる。手紙を開くと、懐かしい部屋の匂いとインクが薫った。
''拝啓。綺麗な青く高い空に鱗雲が白く輝いています。如何お過ごしですか。そろそろ床に入る時にお腹を出す頃ではありませんか。どうか風邪をひかないように。’’
少し揶揄うような口調。どんな顔で書いているか想像が付く。
口元が緩んで、柳眉が片方だけつり上がっているだろう。
ふと想像の中の君がこちらを向いて、笑った。
何かを言う訳でもなく、また便箋に綴り始める。
''今回に限り、我儘をお許しください。私はもう我慢ならないです。この手紙を書く前、私は二日分の服と身の回りの準備をしました。この手紙を書き、出したなら、私は暫くして仕事から帰ってきた後に駅に預けておいたキャリーケースを引いてあなたの所へ向かうつもりです。’’
そこまで読んで自分の手は手紙を置き、玄関へと向かう。バタバタと派手に音を立てながら、車と家の鍵と財布だけを持ち、勢いよく扉を開けた。すると目の前で『ウワァ！』と驚いた、愛しい声が聞こえた。
｢...間に合わんかったかぁ、｣
『あ、もしかして手紙今読んでくれてたの？』
｢すまん、ここのとこ忙しくてやな...。｣
『え、読んでないん?』
｢いや、読むの遅れて...迎え行けへんかった...。｣
『何や、ちゃんとお迎えしてくれてるやん?』
ヘラヘラ笑いながら彼女は部屋に上がり込んでくる。
なんで突然、だなんて野暮だろうか。彼女が来なきゃ自分から行こうかとすら思った程だから。結局、相手も忙しいかもしれないと怖気付いて行けなかったのだが。
｢...なんで、来てくれたん？｣
『野暮なこと聞くよね〜！』
分かってるよ。
早く聞かせて欲しいんだ。
『誕生日、おめでとうね。』
｢うん、会いに来てくれて、ありがとうな。｣
彼女の持ってきた白い箱には、ぴかぴかと光る、新しい時計が入っていた。
＿＿＿＿＿＿…
時計使ってますが前話との関係はありません、安心してください笑
お誕生日おめでとうございます。
動画をかき回していく姿、彼らしくてとっても楽しませていただいてます。
これからも楽しくゲームしてくだされば幸いです。
良い一年になりますように。
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ちぃ汰。(プロフ) - 雨々さん» ご足労賜り誠にありがとうございます。貴方との出会いはこのシリーズでしたね、拙い私の文章であれど、貴方と繋がるきっかけになれて本当に嬉しいです。一作者としても、一友人としても、精一杯の感謝をここに。 (2021年5月5日 18時) (
レス) id: 66362bbae9 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 好きです。ここまでの執筆本当にお疲れ様でございます。あなたの作品に出会えた事、あなた様に出会えた事。本当に嬉しく思います。ありがとうございました。 (2021年5月3日 9時) (レス) id: 0ec44c6a23 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» 毎度毎度、貴方には本当にお世話になっております。この作品が終えれたのも、貴方のお力添えがあってこそ。こちらこそありがとうございます。続編についてはご期待に添えると良いのですが。御足労痛み入ります。精一杯の感謝を足らぬ言葉でここに。 (2021年4月28日 20時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 最後の最後まで大好きな文をありがとうございます。そしてお疲れ様でした。もしもまた続編がありましたら、是非とも1ファンとして読ませて下さい。ひとまず、本当にお疲れ様でした。 (2021年4月27日 18時) (レス) id: ba4822cc62 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» お気に召して頂けたなら何よりでした。とんでもない、身に余る言葉の数々をありがとうございます。是非またお越しくださいね、お待ちしております。 (2021年2月27日 0時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2020年7月3日 0時
