ダイヴ・トゥ・ザ・スカイ【tn】 ページ41
※軍パロinソ連。
名前カタカナ推奨。
彼女の人生は幼い頃から空と飛行機と共にあった。
物心つく頃には彼女の瞳は父の乗る飛行機を追いかけていた。父の機体が空を舞い、雲を引くのを眺めたものだった。
寡黙な父の背中を初めてコクピットの中で見たのは、彼女の年が10と2つになった時である。雄大な空を背景にした父の背中は、普段のそれよりずっと小さく見えた。不安になり父を呼べば珍しく口の端を持ち上げて、「ほら、空の上では皆ひとりなんだ。」と年端のいかぬ少女には理解の難しい言葉を発した。機体の端どうしに追いやられた二人の距離は縮まらないのに、父の声にどこか安心を覚える。彼女は父の背中に手を伸________...
「A・スミルノフ少尉」
談話室のソファの上でAは静かに目を覚ました。
敵基地の視察を終え、書記長への報告を終え、話があるからと談話室で待たされていてそのまま…と彼女は記憶を整理していた。
『...申し訳ありません、』
「いや、疲れてたんやろう?すまんかったな、撃墜ご苦労やった」
視察と言われた任務であったが道中敵機に出くわした。この所国境においてドイツ軍の動きが忙しなく、ルフトヴァッフェとの遭遇率も日に日に増している。視察だけで済まないことなど日常茶飯事なのだ。
『いえ、このくらいは何とも。私ができることであればこの血と汗、同士とソビエトの大地の為流す事など造作もございません。』
「ありがとう、すまんな...それで話なんだが、」
彼女こそ硬い口調であるが彼の口調は非常に柔い。
書記長と少女は実は旧知の仲である。
彼女の父は前大戦時の空軍大尉であり、若かりし書記長の上司であった。随分と可愛がってもらった、と彼は回顧する。
尊敬する上司の娘である彼女だが書記長は贔屓目を抜きにしても優秀な人材だと思っていたし、彼女も空軍の一般兵から努力して最高位まで上り詰めた彼を尊敬していた。
彼と付き合いの長い彼女には彼の知らせが何となく良い事でないことの察しは付いていた。
「スミルノフ大尉の機体が見つかった。遺体もコクピットの中で。落としたのはルフトヴァッフェのストゥーカ。戻ってきた仲間の中に見ていた奴がおる。」
『...やはりですか』
「惜しい人を亡くしたな、」
『...貴方にそう言って貰えて、父も誇りに思っていると思います』
そういう彼女に彼は苦笑いを浮かべた。
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琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» いえいえ!! うん、その時がきたら即読みに行くわ!!w← (2018年10月3日 19時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ほんとありがとう...『また』があったらよろしくね...w (ボロ泣き中) (2018年10月3日 13時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» だって全部素晴らしいなって思えたのはホンマやもん!ううん、載せてくれるのは全然いいよ!寧ろ嬉しかった!!ホント、あんな感じやけどいつでもしに来てね! (2018年10月2日 15時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ありがとう!本当に琴葉には感謝しきれんのよ!どんな作品でもそうやって褒めてくれるから、頑張って来れたんやと思う!うちも琴葉の作品に会えてよかった!また行く!リクエストする!サプライズなんてものじゃないけど、載せちゃってごめん、でも全部本心だから! (2018年10月2日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» 私の方が、ちぃの更新とかコメにずっと励まされてたよ?ホンマに、こっちこそありがとう!!私の作品見つけてくれてありがとう!あと、私の友達なってくれてありがとうね!また私の方にもリクエストしてな?ちぃならいつでも歓迎やから!! (2018年10月1日 17時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2017年12月12日 22時