君と四回【kn】 ページ4
母親を祝う親子が目の前にいる。
幸せそうな3人の横顔。
今の私と正反対過ぎて、その光景に微笑んでいるのか、今の自分の境遇に笑うしかないのか、私が私をよく分かってない。
ふと母親の方が、私の視線に気づいてぺこりと頭を軽く下げた。私がおめでとうございますと伝えるとまたもぺこりと頭を下げ、急かす父親と息子に連れられて行った。
慌ただしい親子が居なくなると、途端に寂しさがぶり返した。
別に、覚悟してなかった訳じゃなかった。
ただ、実際、体験しまうとやっぱり心にくるものがあった。
あんなに鬱陶しいタバコの香りも、よれよれの青っぽいスーツも、いつの間にかすっかり心に居座っていた。
悔しくて、情けない。
何でこんな幸せそうな人達の中、一人過ごしてるの私は。
...ポケットで震える携帯に、もっと冷静に出れたなら良かったのに。
コイツに弱味を握られたくなかった。
私の水気のある声を聞いた彼は直ぐにここへ来てくれた。
「なんで大先生やねん、ほんま」
『...仕方ないやん、好きやったんやもん』
「...なぁ、A」
『言わんといて、私まだ』
彼は私の耳に口を寄せ、そのままキスをした。
まるでよく聞けと言うように。
「...別にええから、たとえアイツに重ねられたって文句言わへんから、」
今だけはこうさせてや。
彼のタバコの香りは明らかにあのクズとは違う。
安心しきった私の視界は徐々に滲んで一掃光を増した。
______…
耳...誘惑
※参考
only you / 三浦大知
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琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» いえいえ!! うん、その時がきたら即読みに行くわ!!w← (2018年10月3日 19時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ほんとありがとう...『また』があったらよろしくね...w (ボロ泣き中) (2018年10月3日 13時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» だって全部素晴らしいなって思えたのはホンマやもん!ううん、載せてくれるのは全然いいよ!寧ろ嬉しかった!!ホント、あんな感じやけどいつでもしに来てね! (2018年10月2日 15時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ありがとう!本当に琴葉には感謝しきれんのよ!どんな作品でもそうやって褒めてくれるから、頑張って来れたんやと思う!うちも琴葉の作品に会えてよかった!また行く!リクエストする!サプライズなんてものじゃないけど、載せちゃってごめん、でも全部本心だから! (2018年10月2日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» 私の方が、ちぃの更新とかコメにずっと励まされてたよ?ホンマに、こっちこそありがとう!!私の作品見つけてくれてありがとう!あと、私の友達なってくれてありがとうね!また私の方にもリクエストしてな?ちぃならいつでも歓迎やから!! (2018年10月1日 17時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2017年12月12日 22時