君と十三回【os】 ページ13
イチャついてるカップルを横目に、俺は脇道へとその足を逸らす。
こんな夜だ、きっと彼女もいるはず。
この国では一種のお祭り騒ぎのような状態だが、元々はキリストの生誕を祝うものだから。
彼女ならきっと。
教会の重厚な木の扉を押すと、案の定ガラリとした冷えた広い聖堂の真ん中に。
ステンドガラスから漏れる、街の明るい照明に照らされ。
もはや白に近いような、ブロンドを静かにたらして、例の位置に彼女はいた。
但し、いつもと違うのはその手は祈りを捧げるように組まれては居らず、姿勢の良いその膝にこれまた上品に置かれていた。
『...オスマンさん』
｢外、雪ですよ...そんな格好で、寒くないですか？｣
彼女はコートを傍らにおき、白いニットワンピース1つで、まるでこの世で1人だというような表情をしていた。
『なるほど、道理で寒い訳ですね...』
｢貴方は本当に信心深い方ですね、こんな日にもここへやってくるなんて｣
『それはあなたも同じでは？』
｢...自分は、｣
貴方に会いに来た、こんな日こそ貴方に会いたくて。
そう言えたならどんなに。
思考を回し、言葉を止めてしまった俺から彼女は目を逸らした。
これ以上、俺が言葉を続けないことを悟るかのように。
『...私は、残念な信徒です。ここへ来たのは神への信仰心からではないんです。』
｢つまり、どういう？｣
『...貴方に会いたかったんです。こんな日に、貴方と会えたなら、と。』
ヴァージンロードを歩くように彼女は教会の真ん中を歩き、祭壇の前に立った。まるで神前裁判を受けるかのように。
『...邪な考えです、本当に。この教会へ来る目的が、...祈りを捧げることが...私の中でいつの間にか貴方と会うことにすり替わっていった。』
｢...俺が今日ここに来た理由は、天使に会うためです。｣
ことり、と俺の革靴が教会の床を鳴らす。
ゆっくりと花道の先の彼女へと向けて。
彼女は、少しだけ顔を歪ませたように見えた。
俺は構わず続けた。
｢天使は幸せを民に与えるもの。つまり俺にとっては…｣
貴方です、と取った彼女の手は冷えきっていた。
彼女を照らすステンドガラスの明かりは先程よりは柔らかく、優しく彼女を照らしている。
『...オスマンさん』
｢Aさん｣
彼女の白い、真っ白い衣装。
まるで天使で、まるで花嫁。
冷えきった、彼女の指先に誓を。
_________…
指先...賞賛
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琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» いえいえ！！ うん、その時がきたら即読みに行くわ！！w← (2018年10月3日 19時) (
レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ほんとありがとう...『また』があったらよろしくね...w (ボロ泣き中) (2018年10月3日 13時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» だって全部素晴らしいなって思えたのはホンマやもん！ううん、載せてくれるのは全然いいよ！寧ろ嬉しかった！！ホント、あんな感じやけどいつでもしに来てね！ (2018年10月2日 15時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» ありがとう！本当に琴葉には感謝しきれんのよ！どんな作品でもそうやって褒めてくれるから、頑張って来れたんやと思う！うちも琴葉の作品に会えてよかった！また行く！リクエストする！サプライズなんてものじゃないけど、載せちゃってごめん、でも全部本心だから！ (2018年10月2日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» 私の方が、ちぃの更新とかコメにずっと励まされてたよ？ホンマに、こっちこそありがとう！！私の作品見つけてくれてありがとう！あと、私の友達なってくれてありがとうね！また私の方にもリクエストしてな？ちぃならいつでも歓迎やから！！ (2018年10月1日 17時) (レス) id: d712e3143f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2017年12月12日 22時
