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いつの間にか、彼は私の手を掴んでいた。そんな事しなくても、私はもうふらつかないのに。もう、随分と頭は冷えきっていた。
「な、さっきの、聞いとったん？」
不意に彼は、質問した。さっきのって、つまりそのことだろう。
『……本当はね、気にしないつもりだったんだけどね。歳なんて、関係ないんだって。でも、やっぱり、私、頑張ってしまうから。並び立ってて、恥ずかしくないように居たいから。……エミさんが、紹介して、恥ずかしくないように、居たくて。』
「……ごめん、そうじゃないんや、」
『大丈夫、分かってる。でも、世間は驚いちゃうのが事実だから、身構えてしまうって話だよね。』
「……そう、せやな。」
『分かってるんだけど、やっぱりちょっとだけ、悔しかっただけなの。だから、考えを整理したくて、1人で散歩に行ったの。黙っていかないと、絶対着いてきてくれるって思ったし。』
「でも、やっぱ、1人は危ないで。」
『うん、ごめんね。』
私は彼へ身を寄せた。彼は私を強く抱き締め、そのまま抱き上げた。
『うわ。』
「ごめん。こうしたいんや。」
彼は私をしっかりと抱く。絶対に落とさないように。頼りになる腕と肩がいとおしくて、そのまま肩に顔を埋めた。
「A？」
『今思うとね、自分より若い人と付き合ってるの、恥ずかしいって思うの、正常だなって思うの。そして、恥ずかしいのに、私と付き合ってるって紹介してくれるのも、本当に私を、私という人間を、愛してくれているんだって、分かる。こんなに抱きしめて、抱えてくれて、嬉しくて、大好き。』
「あの、え…っと。」
『大好きだよ。エミさん。』
「……俺も、大好き。世間体を、恐れてごめんな。もっと強くなるから。……なぁ、A。下ろしても、ええか？少しだけ、急いで帰りたいねん。」
『え、うん。』
彼は私を下ろし、手をしっかり引きながら、少し恥ずかしそうに言う。
「今すぐ、抱きたい気分でね。」
『ちょっと、エミさん！』
冷めた頭が、また沸騰するのが分かった。
───────…
恥ずかしくない、大人になれる日を夢見ている。
そう思えば、進む針も怖くない。
最後のセリフを、余裕そうに、でもちょっと逸るように言い放つイケおじな彼が見たかっただけの話。なお、リアルな想像はできなかった。(失礼。)
さよなら世界【kn】→←Don't stop the clocks.【em】
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ちぃ汰。(プロフ) - 椿・鵯(ひよどり)さん» 今晩は。貴方様の足が再び出向いて下さって嬉しい限りで御座います。お恥ずかしいことに相変わらずの筆運びで御座います。どうか貴殿のお気に召します頁があらんことを。 (2022年6月27日 19時) (
レス) id: 7afb004994 (このIDを非表示/違反報告)
椿・鵯(ひよどり)(プロフ) - お疲れ様に御座います。貴君がお気に召すままにあらせられる事を願っております。また一羽を見られることを密かに思っております。お目汚し失礼致しました。 (2022年6月26日 17時) (レス) @page3 id: 72d1a498da (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» いつもいつもお世話になっております。いつも通りの更新です。相変わらずのマイペースです。それでも宜しければ気ままにお立ち寄りくださいね。お待ちしております。 (2022年6月13日 1時) (レス) @page2 id: 7afb004994 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - Twitterを見たあとまさかと思い立ち寄れば…推し作者様の新作、本当に嬉しいです。更新はゆっくり気ままに、楽しんでお書き下さいませ。いつまでもお待ちしております。 (2022年6月9日 16時) (レス) @page1 id: 7cbb42cb9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2022年6月9日 1時
