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終天まで、ここにいて【ut】 ページ37

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※全然明るくないけど幸せな話。



''永遠なんて、存在しないのに、俺は。''


________…




「A、」





無言で私が受け取ったのはハンドクリームだった。
今日は少しアロマ系の香りがするもの。

疲れてるのだろうか。

そう思って少し顔を注意深く見ると、なるほど、目許がいつもより暗かった。



すっと差し出された白くて細くて綺麗な手。

私の手のひらにクリームを2センチほど出して温めながら伸ばした。


彼の手は、親指の爪元が少しかさついていた。いずれ出来るやもしれぬ逆剥けを廃するように優しく念入りに塗りこめる。




ある時、彼の指の逆剥けが流血する程に酷くて、思わず手を伸ばしたのが始まりだった。
あの時は完全に切れていた指が痛くないように薬用のものを使ったっけ。



彼はそれからあまり多弁には語らず、私にハンドクリームを手渡すようになった。
いつも私を呼んで、それを渡して、手のマッサージのような行為を待っている。



素直でない彼が唯一甘えている時間なのかもしれなかった。私が特に何も言わないので彼が弁解することもなかったのだけれど。





彼の中指の側面を軽く圧しながらなぞった時。

彼の長い指は私の指に絡まった。
今までにない行為に少し動きを止める。

どうしたのだろう。
まだ右手のマッサージが始まったばかりなのに。
痛かったのだろうか、顔色を窺うと宇宙色の瞳がぽっかりと虚空に私を写した。





「…A、」



『ごめん、痛かった?』




「ううん、もうええよ、」



『左手は?』



「ええから、ここにいて。」




彼の言う''ここ''は、彼の腕の中らしかった。
私の手を引いて、彼は私を抱きしめた。


何か嫌なことがあったのだろうか。
私は何かしただろうか。


聞きはしないがそんなことを思いながら私はされるがままになっていた。

▽→←惚れた、腫れた。【krr】



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ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» 毎度のコメントありがとうございます。お待たせ致しましたことお詫び申し上げます。感想もありがとうございます。期待以上の感想を頂けて言葉もありません。続編前向きに検討しておりますのでどうかその時はよしなに。私もあなたのファンでございます。ありがとちゅき() (2020年5月12日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します。更新の方心待ちにしておりました、そして相も変わらず、否それ以上に素晴らしいお話に胸が苦しく、また切なさが込み上げました。良ければ続編をと思いますが作者様の手が動く限りで構いません。私は何時までも貴方様のファンです。とりますき() (2020年5月12日 0時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音さん» とんでもございません、しっかりと寝てましたすいません...。ありがとうございます...。勿体ない言葉...。 (2020年1月28日 8時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音(プロフ) - 夜分遅くに大変失礼でしょうが...これだけ...好きです。 (2020年1月28日 3時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 夢川さん» いえいえ、全く気にしておりませんのでそんなにお気を使われないでください!感想頂けてとても嬉しいです。星の子一家に一人要りますよね笑 こちらこそリクエストありがとうございました。よろしければまたリクエストしてくださいね。(お仲間でしたか笑) (2019年11月5日 20時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2019年10月6日 18時

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