渇々の心【kn】 ページ34
※タイトルは造語。読み方なんて知らない。
「からから」でも「かつかつ」でも。
激短編。
________…
あまりの寒さに、日中も窓を開け放つことが叶わなくなった頃。
朝方の身を切る寒さに肩を竦め、ベランダからぼんやりと街を見た。
冷たい空気と共に含む煙は最高だ、と誰かが言っていた気がする。生憎手もとにはそれは無く、丁度切らしている時に余計なことを思い出してしまった、と後悔した。
目下に流れる川から、寒さゆえに水蒸気が昇るのが見えた。余程ニコチンが足りてないのか、そのわずかながら見えるものにすら口寂しさを覚えてしまう。中毒だ。回らない頭が、やっとそれだけの言葉を絞り出した。
少しだけ、会いたいと思った。
きっと、寒かったから。温もりを求めただけのこと。
そして一言で言えばイライラしていた。
消えた存在にいつまでたっても揺さぶられていた。
自分も相手も責める気にはならなかった。
ただもう少しだけ、どうにか繋ぎ止める方法があったんじゃないかと、そう思うと。
ああ、口寂しい。
ああ、口惜しい。
ああ、寂しい。
実は当たり前の言葉ですら、自分達は交わしていなかったのかもしれない。
『「会いたい」』
一人ぼっちで零した思いなんて。
伝えたい人に届かない思いなんて。
散って埋もれてしまえば、ただの言葉でしかないか。
________…
まさかのダブル視点スタイル。
この恋人に幸多き時期に、相も変わらずブルーな話を書いていく。
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ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» 毎度のコメントありがとうございます。お待たせ致しましたことお詫び申し上げます。感想もありがとうございます。期待以上の感想を頂けて言葉もありません。続編前向きに検討しておりますのでどうかその時はよしなに。私もあなたのファンでございます。ありがとちゅき() (2020年5月12日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します。更新の方心待ちにしておりました、そして相も変わらず、否それ以上に素晴らしいお話に胸が苦しく、また切なさが込み上げました。良ければ続編をと思いますが作者様の手が動く限りで構いません。私は何時までも貴方様のファンです。とりますき() (2020年5月12日 0時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音さん» とんでもございません、しっかりと寝てましたすいません...。ありがとうございます...。勿体ない言葉...。 (2020年1月28日 8時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音(プロフ) - 夜分遅くに大変失礼でしょうが...これだけ...好きです。 (2020年1月28日 3時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 夢川さん» いえいえ、全く気にしておりませんのでそんなにお気を使われないでください!感想頂けてとても嬉しいです。星の子一家に一人要りますよね笑 こちらこそリクエストありがとうございました。よろしければまたリクエストしてくださいね。(お仲間でしたか笑) (2019年11月5日 20時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2019年10月6日 18時