ミカエルとダイヤ【tn】 ページ30
.
今の気分を一言で表すならば間違いなく''最悪''だろう。
寝る前の穏やかな読書の時間。目の前には飲みやすく温くなったカモミールのハーブティー。
柔らかなこの時間に不釣り合いなただ一つがそれを全て打ち消した。
初めは後ろから。
冷たく当たる首筋の鋭利な刃物はじわりじわりと向きを変え、ついには目の前から突きつけられる形となった。
なぞられた肌からつるりと生ぬるい液が垂れる感覚。
目の前の男は顔を隠しながらも瞳の奥に復讐心を宿らせていた。
「貴様が''女神''とやらか。」
『いかにも。私をそう呼ぶ者は多いが。』
「…貴様が、貴様の存在が、この世を狂わせている。悪いが消えてもらおう。」
『脈絡の無い話で少々理解に苦しむな。私が一体、貴殿に何をしたのか。』
怒りで震えているらしい。切っ先が僅かにブレている。
「お前のその力を求め、争いが絶えず、かけがえのない沢山のものが俺の目の前で消えていった。」
『私は望んで''こう''生まれた訳では無いのだが。勝手に奪い合っているのはそちらの方だろう。勘弁してくれないか。』
「…貴様、」
『…火に寄る虫ほど短命、か。』
「何?」
『ところで貴殿は、''豚に真珠''、という諺をご存知だろうか。』
207人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「d!」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» 毎度のコメントありがとうございます。お待たせ致しましたことお詫び申し上げます。感想もありがとうございます。期待以上の感想を頂けて言葉もありません。続編前向きに検討しておりますのでどうかその時はよしなに。私もあなたのファンでございます。ありがとちゅき() (2020年5月12日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します。更新の方心待ちにしておりました、そして相も変わらず、否それ以上に素晴らしいお話に胸が苦しく、また切なさが込み上げました。良ければ続編をと思いますが作者様の手が動く限りで構いません。私は何時までも貴方様のファンです。とりますき() (2020年5月12日 0時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音さん» とんでもございません、しっかりと寝てましたすいません...。ありがとうございます...。勿体ない言葉...。 (2020年1月28日 8時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音(プロフ) - 夜分遅くに大変失礼でしょうが...これだけ...好きです。 (2020年1月28日 3時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 夢川さん» いえいえ、全く気にしておりませんのでそんなにお気を使われないでください!感想頂けてとても嬉しいです。星の子一家に一人要りますよね笑 こちらこそリクエストありがとうございました。よろしければまたリクエストしてくださいね。(お仲間でしたか笑) (2019年11月5日 20時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2019年10月6日 18時