白銀の百合【fj】 ページ38
〔暖かさなんて、此処には無い〕
________…
君を喰らうことや、君とトリップする程愉しむ事を夢見ることもあった。
だけど現実の君を見ればその艶やかさに魅せられるよりも、触れられない程の繊細さに怖気付く。
｢A｣
『...』
極めて口数の少ない君。流し目でこちらを見遣る瞳の隅に、泳ぐ熱帯魚が見えた。
その瞳は夢で見たように熱を込めているのに、その状況は、傍らで焚いてある香草と、君の齧るチップスによって創り出されたもの。
全部、全部、俺の創り出したシチュエーション。
君の赤く縁取られた唇が動く。
『フジさん、私を玩具にしたかったのね』
疑問とも反語とも取れる口調に胸を押さえ付けられる気がする。
部屋中に焚き染められた香りが、洒落た花瓶に咲き誇るドライフラワーが、なんとも言えない雰囲気を漂わせ、視界を曇らせる。
自分の造った世界に自分が一番呑まれてしまった。
ただ、その中でも君だけは、高嶺の白い百合だけは、毒々しくも華々しく咲き誇る。
『しってる？百合って毒素を放ってるんだって、あの花に埋まると、死ねるんだよ？』
綺麗な白い指が白い花弁を撫ぜる。
普段と比べ随分と饒舌になった君も、きっと理性を半分飛ばしているんだろう。
この状況下の男女の頭にあるのは、ただ愉しむ事だけ。そうでしょう？
｢A、腕を廻して、｣
『フジさん、こんなの良くない』
｢さん、なんて呼ばないで、俺と生きよう？｣
『お家へ、かえろうよ』
無けなしの理性が、君を意地悪にさせるらしい。
ドライフラワーの香を更に詰めた。
｢いやだよ、まだそんなこと言うの？｣
『あたし、もう彼と生きてけないよ』
｢だから、俺と生きて｣
どうか俺と罪を背負って。
どうか彼なんて忘れて。
茜色の記憶なんて、君から消えてしまえばいい。
『、』
｢堕ちて、｣
耳元に囁けば、君の腕が俺の首を切るように絡まった。
罪深い、声も出せない夜を、君と。
___________…
(茜、終わる。)
茜色の記憶ってのはキヨとの記憶。
Aさんはキヨさんの彼女です。
構ってくれないキヨに不満を持つA。
そこにつけ込む薬や甘い言葉やらを利用したフジの手口。
まんまと掛かったAさんをフジはどうするんでしょうね？
こういうのほんと好きです。解説長くて申し訳ございません。
原曲→lili/有機酸
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ちぃ汰。(プロフ) - ミーさん» コメントありがとうございます！ ニヤニヤして頂けて嬉しい限りです笑 見返してみましたが中々乱雑かつ支離滅裂文章でお恥ずかしい限りです汗 現在活動はほぼ行っておりませんが、その言葉は嬉しいです、ありがとうございます！ (2018年2月24日 12時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 素敵なお話ばかりで、ニヤニヤしながら読んでしまいました(笑)特にグルさん短編の裏切り者でもが好きです！これからも頑張って下さい(^-^) (2018年2月23日 17時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - reiponnさん» ほんとありがとうね！ (2017年12月13日 18時) (レス) id: 64d3b538d3 (このIDを非表示/違反報告)
reiponn(プロフ) - ちぃ汰。さん» 私も好き！！ちぃちゃんが元気になってくれてよかったー！いえいえ！私こそ毎日…じゃないけどちぃちゃんと話しててとっても楽しいよ！ありがとう (2017年12月13日 17時) (レス) id: 61a6d8b17c (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - reiponnさん» もう優しいかよ、まじ好き。真面目にすき。その言葉でホント元気でる！頑張るよ、ありがとう！！ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 64d3b538d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2017年9月14日 21時
