○*+君色+*○【K.Ninomiya】 (ページ18)

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＊17 あの人ページ18

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○「Aちゃん、おはよう」

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今日も優しい笑顔で私に言う看護士さん。

「おはようございます」

私はいつも通り、挨拶を返す。

○「今日も良い天気ね。お散歩日和…」

しゃっとカーテンを開けながら、看護士さんは言う。

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「…本当に。ただ、私は外に出られませんけどね…」

私の呟きに看護士さんは顔色を曇らせたけど、すぐに元に戻る。

○「…いつか出ることが出来るわ。きっと」

「…そうかな？」

○「ええ、Aちゃん、いつも頑張ってるもの。神様も見てくれてるわ」

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そう言って、看護士さんは病室を出て行った。

…ある意味、私から逃げるように。

「…、きっとって……いつなの」

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何度、この言葉を耳にしたか分からない。

『きっと、元気になれるよ』

『大丈夫。きっと早く治る』

確かに絶対や、必ずより好きな言葉。

けど、…実際は違う。

学校には行けない。友達なんて1人もいない。

私のセカイは、病室だけ。

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…あの人は、どこにいるのかな。

彼と逢わなくなってから、1週間。

体調が優れなくなった私は、神野先生に止められあの病室にも行けなくなってしまった。

「…、行きたいな」

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私は無意識に、ドアの目の前に来ていた。

でも、身体が重くてドアを開けることすら出来ない。

…こんな身体じゃなかったら。

どんな場所にも行けるのに。

悔しさが募り、ただただ、彼に…

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…あの人に、会いたいと思っていた。

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