Special Story＊Green ページ42
「Aー！！」
後ろからドタドタ走ってくる音が聞こえた。
もう毎日のことだから、後ろを振り返らなくても誰か分かる。
「A、おはよ！」
「･･･････おはよう」
「テンション低いなー」
「朝は低血圧なの。それに、雅紀が高すぎるんだよ」
これもまたいつものこと。
もう冬服に衣替えされた制服を少し気崩して鞄を肩に掛けてる雅紀。
羨ましいほどサラッサラな髪の毛が風に吹かれてなびいた。
「寒ぃなー」
「ね、急に寒くなった」
「マフラーしてくれば良かった」
「手袋は？」
「えー、何か高校生にもなって恥ずかしいじゃん(笑)」
ウケケケ、って笑った雅紀が、風が吹く度に首を竦める。
見てるコッチが寒くなるよ。
「ん、いいよ」
「え？」
「どーぞ、」
「ありがとう！！」
高校生にもなって恥ずかしい、って言ってた雅紀にピンクのウサギが付いてる手袋を渡す。
･･･････マフラーは、恥ずかしくて渡せなかった。
「うん、指が暖まるだけで違うね！」
「そうでしょ？」
「さっすが、俺の彼女！」
赤くなった鼻を擦るように触った雅紀が、ニッコリ白い歯を覗かせて笑った。
手袋がなくなったから指先が冷えてきてジンジンするけど。
俺の彼女、って言われてから胸の方がジンジンする。
「今日部活ないからさ、」
「うん」
「一緒に帰ろう！」
「うん」
「あ！良いこと思い付いた！！」
んしょ、って左手から手袋を抜き取って私に渡す。
元々手の大きさが違うからちょっと伸びてるけど、それすらも愛しい。
「手ぇ繋ご！」
「えぇ？」
「手ぇ繋いでる方は暖かいから、繋いでない方に！ね、あったま良いでしょ？！」
またウケケケ、って笑った雅紀が早く！って顔で私を見てる。
しょうがないな〜、なんて言いながらも手袋をしちゃうのは、惚れた弱味ってやつ。
「はい、A」
「ん、」
「こんなんで照れちゃって、ウチの彼女は可愛いな〜(笑)」
大きなゴツゴツした手に包まれた手を見ながら歩き出す。
今、雅紀はどんな顔をしてるのかな？
照れてる？
照れてくれてたら、嬉しいな。
「･･････雅紀、」
「ん？」
「･････すき」
応えるようにギュッと握られた掌。
その後に、呟くような声で、
「俺も、」
って聞こえた。
私もギュッと握り返す。
だいすき、雅紀。
*
『Special Story＊Green』2015.12.1.Fin.
*
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みう(プロフ) - たまこさん» そ、そうですか？！そう思って頂けたのなら嬉しいです！ありがとうございました！！ (2015年11月13日 22時) (
レス) id: a0fc30e2c2 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ - 翔くん〜見た目も中身もイケメンさんでキュンキュンしました！笑 (2015年11月12日 22時) (レス) id: 2b15662a3c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 多御流さん» ありがとうございます(ペコリ)うん････、歳は聞かないで(苦笑)これからも宜しくお願いします！ (2015年11月12日 18時) (レス) id: 575ad155ba (このIDを非表示/違反報告)
多御流(プロフ) - 誕生日おめでとうございます！！何歳になったんですか？ (2015年11月12日 7時) (レス) id: 7438752eae (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆうさん» キュン、として頂けたのなら幸いです(V)o￥o(V) (2015年11月1日 1時) (レス) id: ee9a4d30ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2015年9月14日 18時
