答えを欲しがる夜 ページ37
WONWOO side
VN「……ジュニヒョンがAに、そう言ったんですか？」
俯いたまま、バーノンが言う。練習生の頃からAに可愛がられていて、本当の姉と弟のように、気がつくとスングァンかAの側にいたバーノンだ。きっとショックを受けているのだろう。ジュンもそれを感じたのか、申し訳なさそうに返す。
JN「そうだよ。バーノンからAを奪おうとしたわけじゃないんだけど…でも、きっかけを作ってしまったのは僕なのかも」
VN「…そうなんですね」
JN「…バーノン、ごめんね。だからAを恨まないで、僕を、」
ジュンの言葉を否定するように、バーノンは勢いよく首を横に振った。
俺はバーノンが泣いているのに気付いた。
VN「ジュニヒョン、ありがとうございます」
HS「、なに言って……バーノン？」
VN「俺はAに何も言ってあげられなかったんです。Aの背中を押すことも、Aがどこにいてもなにをしていても俺はAが大好きだよってことも、なんにも…」
ジュニヒョンが言ってくれたからAはもう辛い思いをしないんですね。
バーノンの色素の薄い瞳は、Aを彷彿とさせた。Aもまた、明るくグリーン混じりの茶色い瞳をしていた。俺はAのその明るい瞳がキラキラと輝いて、綻ぶのが好きだった。
以前、Aと映画を見ながら、恋と愛の違いについて話した事がある。Aは、「自分の幸せを求めるのが恋で、相手の幸せを求めるのが愛なんだと思う」と言っていた。
バーノンがAに向けていた感情こそが愛で、俺がAに向けていた感情は恋だったんだと気付いた。
出会った時からずっと、恋だった。
手を差し伸べればいつでも優しく握ってくれるAに恋をしていた。それは俺がずっと大事にしてきた気持ちだったのに、ひどく独りよがりな感情であった。
苛立たしげに立ち上がったスンチョルヒョンがスマホ片手にリビングを出て行った。
重い静寂の中、テレビから流れてきたのはAがMVに出演したR&B歌手の曲だった。
『そうして君は無感覚になっていったのか？』『誰も君を見ずに君を判断しようとしてばかりだな』
『みんな君の話をするばかりで、誰も君の話を聞いてこなかったから』『俺はそんな奴らとは違うから』
画面の中で、ソファーに横たわるAは綺麗で、悲しそうだった。歌詞は俺を責めているように聴こえた。
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ぴょん(プロフ) - ミンギュはいいやつすぎるし、主人公のファンミにこそこそ行こうとするメンバー、君らが悪いのにどうしても可愛すぎる、最高です (2022年9月23日 0時) (
レス) @page47 id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
綾部(プロフ) - 1日かけてじっくり読んでしまいました。更新される日を待っています。 (2022年8月11日 22時) (レス) @page47 id: 1ca0875e76 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 一気に読んじゃいました。また更新される日が来る事を願っております。執筆してくださりありがとうございます。 (2022年1月4日 0時) (レス) @page47 id: 3160d2b695 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 椎名さん» まさかお返事来るとは思っていませんでした、、、ゆっくりで構いませんので無理はなさならいでください、！ (2021年7月3日 1時) (レス) id: 6da38b2df1 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - 雫さん» 更新、非常に遅くなっていて申し訳ありません…！！ (2021年7月2日 23時) (レス) id: ecff8741cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椎名 | 作成日時：2018年3月28日 20時
