深淵に沈む (ページ6)

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ジェシーside

オレたちが惹かれあったのは運命

それぞれが自分に似た何かを持ってて

それが大なり小なり違ってても

そういうとこに惹かれたのは間違いじゃない

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金曜日の放課後

長いHRが終わって荷物を持って集まった

『んじゃとりまカラオケに〜いっちゃおぅ！』

慎「いっちゃおぅ！！」

華金だからかみんなもオレもいつもよりテンションが高い

放課後お決まりのカラオケ

ぞろぞろと教室を出て人でごった返す玄関を抜けた

『はいじゃあ1番オレー！』

行きつけのカラオケ店

各々好きにドリンクを持って301と書かれた部屋に入る

いつものように1番に歌い始めたオレを

いつものようにみんなが見て盛り上がる

高校に入学して何で今まで出逢わなかったんだって思うくらい

気が合う仲間で

仲良くなったその日から今日まで毎週金曜日は必ずこうしてカラオケに来る

他の日でもみんなの予定が合う時はいつもカラオケに行く

この色男ー！

とか

チクショーかっけー

とか

そう言って誰が歌うときでも盛り上げる

しないといけないとかそんな使命感はなくて

みんなが自然に楽しくなってそういうことをする

そんな空間が最高に楽しいし居心地がいいの

慎「つぎ俺だー」

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『まーじあの慎太郎最高だったよ！ahahaha！』

慎「まぁ俺ジャスティンビーバーだから？」

優「ジャスティンビーバーに謝れよ」

樹「くっそ慎太郎に負けたわ！」

慎「まぁ俺ジャスティンビーバーだからぁ！」

北「うるさいな近所迷惑だよ」

慎「でもまぁ俺ジャスティンビーバーだからぁあ！」

大「ほんと、黙れないんだな慎太郎は」

慎「ジャス、」

樹「もーいいわ！」

慎「あ、そう？」

独特な笑い声が響く夜道

外はもう暗くなっていて時間はとうに10時に近づいている

薄暗い青色の街灯に照らされた夜道を6人横並びになって歩けば怖くない

いつものわかれ道

樹「じゃまた後で」

そう言ってみんな1度分かれて家に帰る

『ただいまー！』

元気に声を上げるも返事はもちろんない

制服から着替えて必要な荷物を持ってもう一度家を出た

『行ってきマース！』

そうして家を出て胸にぽっかり空いた穴を埋めるように

みんながいる待ち合わせ場所へ駆け足で向かった

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