深淵に沈む (ページ3)

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慎太郎side

『あーちぃー』

北「やめてよ、余計に暑くなるじゃない」

ジェ「やべぇよクーラーほんとにきーてんのかな？ahaha！」

樹「何がおもしれーんだよ、まじあちぃ」

優「つぎ移動教室じゃんはやくいこー」

大「PC室だしもっと涼しいんじゃない？」

『よっしゃ！はやくいこーぜぇー！』

席を立ってぞろぞろと次の授業の教室へ向かう

みんなと出会ったのは1年のとき

校長のありきたりな長ったるい話にあきて

どんなやつがいんだーってキョロキョロ周りを見てた

この学校は1学年5クラスで人数もそこそこに多い

それなりの進学校で真面目そうなやつが多いなか

俺のクラスには俺みたいに髪を染めてるやつもいないし

入学初日だからかパリッとした制服を綺麗にきてるやつばっかで

てきとーに制服を着崩してる俺は少し浮いてた

(あ、いるんだ)

面白くないな〜なんて思ってたら

黒い頭の中に

赤やらピンクやら金髪やら茶髪やらなんてぽつぽつと見つけた

それがファーストコンタクト

そっからはひかれるように自然と6人集まって

仲良くなるまでに時間はかからなかった

大「しんたろ？」

『んー？』

樹「なにボーッとしてんだよ」

『何の話だっけ？』

優「次の土日泊まりしよーって」

ジェ「なーに考え事かな？たろちゃん？」

『ちょっとね。初めてみんなに逢ったときのこと思いだしてた』

北「あぁ、何かわからないけど皆に惹かれたんだよね」

『え！北斗も？俺もなんだよねー！なーんか目に入ってさ』

樹「まぁ、俺ら目立ってたし？」

ジェ「不思議だよねー！これも運命ってやつかなっ？」

優「いや割とがちで運命ありえるよね」

大「ふふっ運命かぁいいねなんか響き」

笑い声と比例して揺れる金髪が目に留まった

そういえばあの時も

眠そうに船を漕ぐ金髪が不思議と目に留まったんだよ

あの時は少し長めの金髪がハーフアップにされてて

人が混みあってるし列の後ろの方だった俺には

列の前の方にいたきょもが女の子に見えたんだっけ

近くで見たら綺麗な顔の男だって気づいてびっくりしたよなぁ

樹「おい、また慎太郎が黄昏てんぞ」

北「でもほんと何か懐かしいね」

１階にある俺たちの教室から4階のPC室までの少しの間

思い出話に花を咲かせた

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