深淵に沈む (ページ19)

今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:16,295 hit

5 ページ19

ジェシーside

大「ジェシー、どうしたの」

昼休み

みんなで屋上でご飯を食べていた

いつもならこの話の輪に入って楽しく過ごせる

だけど朝の事があって楽しめる余裕なんてなかった

そんな時だ

『…he？あ〜なになに？ごめんぼーっとしてたあはは、』

大我に声をかけられてハッと意識を取り戻した

慎「ジェシー、どうしたのって聞いてんの」

慎太郎の凛々しい眉毛が八の字に下がってしまってる

『どうしたって何が？なーんもないよ！』

優「隠す必要ないじゃん、もしかして、あの人のことでなんかあった？」

確信を持ったような口振りで、みんながオレに心配そうな目を向けてる

やっぱみんなにはバレちゃうよね

『実はさ、お父さんが今日から帰ってくるらしいんだよね…』

北「え、アメリカいたんじゃなかったの？」

『そーなんだけどね、理由は教えてくんなくてさ』

樹「てことはジェシーの母親も帰ってくるってことかよ、」

『うん、そーみたい』

正直に話せばやっぱりみんなの心配する目は変わらない

それどころか尚更心配だと顔を歪め、うんうんと唸り始めた

オレの事情を知ってるみんなはこれからどうするなんて既に話し合いを始めている

相変わらずはやいや、ahaha

･

『ほんとにいーの？』

大「ジェシー達ならいつでも歓迎するよ。こっそり最低限の荷物だけ持ってくればあとは俺の使えばいいから」

『…ありがとね』

慎「ごめんね、おれら何もしてやれなくて」

『Ahaha！じゅーぶんしてもらってるよ！』

『みんな、ありがとね』

そこでいつもの別れ道につきオレはいつもと違う大我と樹と同じ方向へ足を進めた

しばらくの間オレを気遣って2人は何でもない会話をしてくれた

･