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慎太郎side
『次、政経だってよ』
教室に貼ってある1週間の時間割表をみて伝えれば
マジかよ、俺あいつ嫌いなんだよなー、あいつの授業眠くなんだよ
なんて次々と不満を口にする5人
政経、政治経済の授業は眠くなる
おじいちゃん先生のくせして、授業中寝てるやつを目敏く見つけては
黙って先生が持ってるあの恐ろしいノートに黙々とペンを走らせる
小さくて聞こえずらい、睡眠用のいいBGMになるその声はかなり厄介だっていうのに
内容もお堅い政治やら経済の話で寝るなってほうが無理な話だ
行きたくねぇーなんて言いながらグダグダと教室にいれば聞こえてくる始業のチャイム
樹「なぁ、もうさぼろーぜ」
そんな樹のナイスな提案に反対を言うやつはもちろんいない
北斗だって サボるの？ なんて言ってる割に移動教室なのに授業の準備してないし
そうと決まれば向かうのは屋上
3年の階は1階だから階段を上って1年生のいる3階まで行く
屋上に繋がる階段には白いフェンスに3重に巻かれた鎖と南京錠を使って鍵がかけられてる
いつものように俺がまず鞄を置いてフェンスをのぼり向こう側におりる
そしたら緩くしといた鎖を音を立てないようにずらし隙間をつくってやれば
俺が持つ鎖の下をみんながくぐって入ってくる
その先の屋上へ出る扉にかけられている鍵は、1度きょもがスパイ映画の見よう見まねで針金を使って開けてくれてからそのまま
ジェ「きもち〜」
心地よい涼しい風が身体をくすぐる
各々が定位置に座ればそこは最高におちつく空間だ
北「ていうかここ、ほんと先生は確認しにこないよね」
大「俺が1年のとき鍵開けてからずっとそのままだもんね」
『でもさ、鎖で頑丈にされたときビビったよな！』
優「ここ入ってんのバレたかと思ってヒヤヒヤしたわ」
樹「てか、きょももよく鍵なんて開けれたよね。ほんとすごいねかあいーね」
ジェ「俺が開けてあげる、なんて言ったとき正直ほんとに開けられると思わなかった！AHAHA！」
大「何それ初耳なんだけど？俺からすればこの程度の鍵なんてよゆーだし」
ぷりぷりと怒ったきょもはそのまま煙草をくわえた
それにつられるように皆、ジェシーと北斗も一緒になって煙草をくわえた
懐かしみながら思い出話をすれば煙草を吸う手はとまらない
ここをよく使うようになって持ってきた椅子やら机やら
机の上には灰皿まである
最高のたまり場だ
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作者名：緋依 | 作成日時：2023年5月6日 19時
