深淵に沈む (ページ2)

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大我side

暑い

あー、暑い

ミーンミーンと鳴く蝉のせいで更に夏の暑さが増しているような気がする

こんな暑さの中で、俺は相も変わらずカーディガンを着用して歩く

人より汗をかかない俺

これで汗っかきだったらもー終わりだよ

「おーい！きょもー！」

きょも、なんて俺を呼ぶのは彼奴らしかいない

自然と頭に顔を浮かべながら振り返ると

そこには案の定、汗をかきながらもこの暑い季節の似合う友人が満面の笑みで走ってくる

『おはよ、樹』

樹「おはよ〜今日もかあいーね」

なんて語尾にハートを付けているかのように喋るこいつは少ない俺の友達の1人

いつもの様にはいはいと軽く流し学校までの道を再び歩く

樹「きょも、んな格好してたら熱中症で倒れるべ」

『まじ倒れる。溶けそう』

樹「なのに脱がねーもんな」

『それとこれとは別』

意味わかんねと言いながらそれ以上はいつも深く聞くこともダラダラとこの話を続けることもしない

それが落ち着く

きっと皆、気にしてるんだろうけど

俺はこの関係を壊したくない

「きょもー！じゅりー！」

『おはよ』

樹「おはよー」

こうして俺の1日が始まる

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