【憧憬の愛】第二幕 (ページ10)

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第六十話ページ10

「当日までに色々勉強しておくね」
『その方が楽しめると思う』
「分かった」

電話を切った後、言った通り宝塚について勉強。

小さい頃に大阪のおばあちゃんと従姉妹で
宝塚を観に行った事があった。

まだ小さかったし何も覚えてないけど・・・

これもAさんが繋いでくれた縁だと思って楽しみたい。

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当日

基本ダル着、いやラフな格好が多いけど
Aさんと観劇＆食事だから身なりにも気を遣って
クローゼットからジャケットを引っ張り出した。

髪色が目立たないように帽子も忘れずに。

有楽町駅の日比谷口付近で待ち合わせ。

恐らくこれから劇場に向かいそうな雰囲気の人達。
グッズなのかな、あれ。と視線を奪われていると

『お待たせ！』

俺と同じく帽子を被ったAさんが現れた。
しかも、眼鏡。アリです。え？

『どしたの？』
「いや、何でもない」

『てか、会うの久々だね〜元気してた？』
「元気元気。Aさんは？」
『見ての通り元気〜』
「良かった。お昼は？食べた？」
『少しだけ。大我は？』
「かる〜く」
『そっか、じゃあこのまま向かう？』
「うん。あっその前に差し入れ買いに行こうと思って」
「あっ、差し入れね。私も買わなきゃ」
「楽屋行く感じ？」
『ううん』
「行かないんだ」
『うん。終わってからお茶会なんだって』
「お茶会？」
『ファンミーティングみたいなやつ』
「なるほど」

差し入れを買いに、Aさんオススメのお店へ行く途中
招待してくれた咲妃みゆさんとの関係を聞いた。

「へぇ、咲妃さんがAさんのファンだったんだ」
『そう。観劇の後、挨拶に来てくれて』
「食事とか行ったりする？」
『行くよ〜歳もね一個しか変わらないから仲良くしてもらってる』
「いいね。そういうの」

今更だけど、Aさんの交友関係って凄いんだろうな。

『大我どれにする？』
「ん〜これかな」
『それ美味しいやつ！絶対喜んでくれるよ』

そう言って笑うAさんは
今まで見たことがないぐらいナチュラルだった。

外で会うの事が今までなかったから
この状況がそう感じさせるのかもしれないけど。