第五十四話 ページ4
『分かる。その気持ち』
「・・・」
『でも、どうしようもないんだよね』
「・・・」
『心にポッカリ穴が空いた感覚を何かで埋めようとしても、上手くいかない』
「うんっ」
『そんな時は頑張った自分をとことん甘やかして褒めて舞台中に出来なかった事をする』
「リフレッシュってやつ？」
『うん。舞台って集中力とメンタルを凄い使うから。私の場合、オフの日もシシィの事ばっか考えて、、何も出来なくなる』
「確かに・・・それは俺もそうだったかも」
『上手く切り替えれる人もいるんだろうけどね〜』
「・・・」
『染み付いた役を落として、自分に戻って、また一から見つける』
「見つける・・・」
『そう。どう言えばいいか分からないけど、時間が解決してくれる』
「時間かぁ」
『その間に次の仕事とか、やりたい事が見つかるよ。きっと』
「・・・寂しさはどうしたらいいんだろ」
『いつでも会えるじゃん』
「いつでもって」
『大我はこのカンパニーの仲間。舞台が終わって、はい！さよなら！じゃないでしょ。ご飯に行ったりすればいい』
「・・・」
『喜ぶよ〜特に芳雄さんとか(笑)』
「そうかな」
『可愛い可愛いってずっと言ってたもん(笑)』
「じゃあ」
『ん？』
「俺が誘ったら」
『うん』
「Aさんも、会ってくれる？」
『もちろん！』
「今まで一回もご飯行った事なくても？」
『うん(笑)』
「連絡もしていい？」
『もちろん』
「良かった・・・」
『私はいつでも大丈夫』
「って言いつつ行ってくれなさそう」
『ちょ、酷いなぁ(笑)』
「俺聞いた事ないよ。Aさんがご飯行ってるとか」
『今回は特に気を付けてただけだよ』
「どうして？」
『んーそれぐらいシシィを演じる事が大変だったからかな。怪我もあったし』
「んっ、そうだね」
『Wキャストは尊敬するまりさんで・・・色々苦労したんだよ〜(笑)』
「・・・・Aさん」
『頑張った分、次の舞台まで遊び倒す！！』
「はは、遊び倒すって(笑)」
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作者名：しぃ
| 作成日時：2023年10月6日 20時
