【憧憬の愛】第二幕 (ページ22)

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第七十二話ページ22

彼女といると楽しい。

随分大人になった俺達だけど

仕事以外の話は基本くだらないし

彼女の背中を追い掛ける俺は

あの頃と変わってないみたい。

どうして今も俺なんかを相手にしてくれるんだろう。

「弟みたいだからじゃない？」
「確かに大我って懐くと可愛いし(笑)」
「それ喜んでいいんですかね」
「「いいと思う(笑)」」と声を揃えるのは優君と育さんコンビ。

「無理させてないかなって思うんですけど」
「例えば？」
「オフの日に会ってくれたり」
「うんうん」
「稽古中なのにご飯誘ってくれたり」
「ほぉ〜ん」
「それいつも向こうから誘われる感じ？」
「いや、俺が誘う時もあります」
「大我はさ、何でAを誘おうと思うの？」
「ん〜元気かなぁとか・・・とかですかね」
「相手もそうなんじゃない？」
「Aだもんなー深い意味無さそう(笑)」
「深い意味って？」

「実は大我の事好きとか？？(笑)」
「んなわけ！！」
「あはははは」
「実際そういう対象として見た事ないの？」
「ないですないです」
「えぇー」
「ないですって！(笑)」

「「ないのかぁ〜」」
「優君はあるんですか？」
「ないけど(笑)」

ないんかーい。

「俺的にAは妹ポジションだし」
「って思ってるだけとか？(笑)」
「いっくん〜それキツいって！」
「ごめんごめん(笑)」

どんどん話が脱線してる気がするんですけどー・・・

「ま、Aが大我の事可愛がってんのは皆知ってるし」
「弟らしく甘えればいいんじゃない？」

「弟・・・」

「大我にとって憧れの人でもあるんだし？」
「あーあったねーそんな話(笑)」
「懐かしいな(笑)」

"弟らしく甘えればいいんじゃない？"

何故かその言葉が引っ掛かった。甘えるってこれ以上？

てか、ずっと甘えてない？

仕事の事とか相談乗ってもらったりしてるし

俺・・・このままでいいのかな。

"支えたい"

そう思ったはずなのに
結局支えられてたのは俺の方。