第七十一話 ページ21
"大我"
名前を呼ぶその声がいつまでも耳に残っている。
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二時間後
最寄り駅まで迎えに来てくれた彼女。
しかも、電車ではなく車で。
「免許持ってたんだ！」
『そこ？(笑)』
「いや、車もだけど・・・」
『あはは、この車はレンタカーだよ(笑)』
「レンタカー、、え、借りて来てくれたの？」
『元々ドライブしようと思ってて借りてただけ』
「へぇ、一人で？」
『そのつもりだったけど、今は大我が隣にいるね(笑)』
「悪いことしたかな」
『なんで？一人より二人の方が楽しいじゃん』
「ありがと」
『こちらこそ〜(笑)』
そう言って、車を出したAちゃん。
この状況が不思議というか変な感じで
助手席に座ってるだけなのに落ち着かない。
『もしかして運転怖い？』
「いや、全然」
『じゃあ緊張してる？(笑)』
「そうかも」
『えぇなんで(笑)』
「だって、車で来ると思ってなかったし」
『やめてよ。なんか私まで緊張するじゃない』
「ごめんっ」
『大我は免許持ってるの？』
「持ってる。でも運転はしないかな」
『そうなんだ、なんで？』
「普通に怖い(笑)」
『怖いんだ(笑)』
「うん(笑)」
上手く・・・喋れてるかな。
そんな不安もやり取りを交わしていくうちに消えて
数分後には、いつも通り。
と言うか、憧れの人とドライブしてるこの状況を
誰かに自慢したいぐらい楽しんでいた。
『取り敢えず走ってたらここまで来ちゃった』
「横浜ってこんな近かった？(笑)」
『ずっと喋ってたからそう感じるんじゃない？(笑)』
「そうかも(笑)」
『お腹空いたし、ご飯でも食べよっか』
「うん」
今どんな気分？とか昨日の夜何食べた？とか
そんな事を聞き合いながら、ご飯屋さんを探す。
『横浜と言えば「中華だよね(笑)」
ド定番コースを選んだ俺達は中華を堪能。
『大我これ食べる？』
「少しだけ、Aちゃんは？」
『じゃあ少しだけ(笑)』
「食べたいって言えばいいのに(笑)」
『別に私は(笑)』
「ムキになってる(笑)」
『からかわないで〜もうっ〜』
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作者名：しぃ
| 作成日時：2023年10月6日 20時
