第七十話 ページ20
翌日、初日を無事迎えたエリザベート。
帝国劇場、博多座、中日劇場に出演し
そして、8月にはサマステと9月には少年たち。
昨年と比べたら正直身が持たないスケジュールだけど
俺は二度目のルドルフを演じれる喜びを胸に舞台に立った。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
公演を重ねるごとにカンパニーの結束力が高まるのを感じる。
様々な困難を乗り越えながら、千穐楽＝ゴールを目指す。
ふとした瞬間に思うんだ。
Aちゃんなら、どうするかなって。
Aちゃんが、いたらって。
参ったなー・・・俺、疲れてるのかも。
待ちに待った休演日。
グループの仕事もなくて、丸一日オフ。
今何時だろ・・・昼前？
このままベッドから抜け出さず
ダラダラと一日を過ごす事も悪くないだろう。
でも、貴重なオフだ。
何かしたい。
けど、めんどくさい。
そんなせめぎ合いをベッドの中で繰り返す。
♪♪♪♪♪
「んー・・・もしもし」
頭が回っていない状態で相手が誰かも確認せず
出てしまった電話口から予想外の声が聞こえた。
『あ、ごめん。まだ寝てた感じ？』
待って、嘘だろっ
「・・・Aちゃん？」
『うん、私だけど、もしかして見てなかったの？(笑)』
ブァッササササァァァと
布団を蹴り飛ばし瞬時に起き上がる俺。
『あはは。やっぱ見てなかったんだね』
「ごめんっ」
「ううん。大丈夫・・・でも、なんで？」
『いや、特に用はないんだけど』
「けど？」
『何してるかな〜と思って』
「それだけ？」
『うん』
「マジか(笑)」
『や、あの・・・邪魔「Aちゃん」
『な、なに？』
「今日の予定は？」
『・・・・オフだよ』
「じゃあ・・・会う？」
『えっ』
「なんだ〜お誘いじゃなかっ『いいよ、会っても』
「会ってくれるんだ(笑)」
『大我が・・・いいなら(笑)』
「もちろん、OK」
断る理由なんてどこにもない。
てか、電話してきてくれた事が嬉し過ぎる。
勢いで会う？とか言っちゃったけど良かったのかな。
♪♪♪♪
二時間後に待ち合わせでいい？｝
良かったパターンだこれ！！！
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作者名：しぃ
| 作成日時：2023年10月6日 20時
