第六十八話 ページ18
支えるにも色んな方法があるんだな。と
蘭乃さんの笑顔を見てそう思った。
Aちゃん。流石だよ。
「あれ、蘭ちゃんは?」
「あちらにいらっしゃいますよ」
「そう。大丈夫だった?」
「まりさんも・・・気付いてらっしゃたんですね」
「えぇ。少し」
「大丈夫です。蘭乃さんなら」
「ふふ、京本君がそう言うなら安心したわ」
「いやいや」
「にしても、Aちゃん」
「???」
「この為にわざわざ来てくれたのね」
「かもしれないです」
「Aちゃんらしい(笑)」
「ですね(笑)」
誰も口にはしないけれどAちゃんらしい所。
芳雄さんも達も分かってるんだろうな。
稽古を終えた帰り道。
何となく歩きたい気分で送迎を断った。
今日も・・・・濃かったし、ハード。
その分、得た物も大きい。
イヤホンから流れる好きな曲が
今日一日の出来事を整理してくれていると
突然、着信音に切り替わった。
着信:Aちゃん
「!?」
「も、もしもし『もしもーし』
「どしたの?」
『今稽古終わり?』
「うん、帰ってるとこだけど」
『大丈夫だった?』
「は?」
『いや、あの突然顔出して』
「・・・・」
『うわぁ、、ヤバかった感じ?』
「ぷっ、あはははっ」
『何その反応(笑)』
「Aちゃんでも心配になる事あるんだと思って」
『一応私も人の心は持ってるんですけど?(笑)』
「大丈夫だったよ。安心して」
『そっか、それなら良かった』
予想外の問いに笑ってしまう。
Aさん意外と心配性なんだね。
「Aちゃん」
『ん?』
「来てくれてありがとう」
『ううん。全然』
「多分みんなそう思ってるよ」
『だといいけど(笑)』
「優君とかから連絡来なかった?」
『来てた』
「なんて?」
『ビビらせんな!って(笑)』
「あはは、こわっ」
『でしょ。だから大我に連絡したの(笑)』
「なるほど」
『ん、ごめんね』
「ううん」
『それじゃ、帰り気を付けて』
「待って」
『なに?』
「今どこ?」
『どこって、私も帰り道だけど?』
「お腹空かない?」
『空いた(笑)』
「会おうよ。少しだけ」
『いいよ〜どこがいい?』
235人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しぃ | 作成日時:2023年10月6日 20時