【憧憬の愛】第二幕 (ページ16)

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第六十六話ページ16

そして、優君の言った通りキャストが発表されると
【2015年は、プレミア公演だった】なんて話題に。

彼女の再演を望んでいた声が圧倒的に多くて
今年のエリザは期待値低いとまで言われる始末。

始まる前からこれじゃ・・・キツい。

そんな状況に、彼女は『ありえない！』とお怒りモード。
「まあ、そう言いたくもなるよね」
『うん。始まる前から決め付けるなんて』
「だけど、それだけAちゃんのエリザベートが良かったって事でしょ」
『そんな事ない。公演中は厳しい言葉も多かったし』
「そうなんだ」
『うん、終わり良ければ全て良しみたいな。美化されてるだけ』

だとしても、Aちゃんが残した功績は大きと思う。
って言っちゃうと火に油注ぐような物。

『まあ・・・もう私は部外者だし、、何も言えない立場だから見守るしかないんだけど・・・』
「Aちゃん・・・」

『大我』
「ん？」

『支えてあげてね、私にしてくれたように』

「えっ」
『きっと不安だろうから』

稽古後の貴重な時間に
呼び出された理由はこれだったんだ。

どこまでも、優しい人だな。

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2月
舞台スタート。
休演日に、エリザチームでAちゃんの舞台を観劇。

3月

エリザ関係の仕事が少しずつ増えた俺に対し
Aちゃんは、南座で公演の真っ最中。

互いに忙しい毎日で会えてはなかったけど
ちょっとした近況報告みたいなやり取りは続いていた。