第六十五話 ページ15
21:30、充実した一日の終わり。
最後に未来の約束をして、それぞれの日常へ。
Aさんとは、やり取りする事が増えて観劇に誘われたり
エリザチームとご飯に行ったり交流は続いた。
特にお互い用もないのにLINEをしたりして
大我。そしてAちゃん。と皆の前でも呼ぶようになり
今までと違う距離感になれた事が嬉しかった。
2015年12月、帝劇で行われた
JOHNNYS' Worldが千穐楽を迎え
2月の舞台に向けて稽古がスタートし
あっという間に、2016年。
年が明けて少し経った頃
今年のエリザベートキャストが関係者の元に届いた。
有り難い事に、Wキャストの一人として
昨年に続きルドルフ役に選ばれたけど
エリザベートの欄に彼女の名前はなかった。
Aちゃんのスケジュールを考えれば難しい事は分かる。
でも、誰もがエリザベートはAちゃんだって・・・
「大我が落ち込んでどうすんの(笑)」と笑う優君。
「いや、落ち込んではないんですけど」
「俺もさ、Aに参加して欲しかったよ。でも丸被りだからね。去年の時点で配役は決まってたんじゃないかな」
「ですよね」
「うん。小池先生もAでやりたがってたし。まあ仕方ないなぁ、こればっかりは。引っ張りだこだもん(笑)」
「・・・・」
「年間で3〜5本、同時進行してる稽古もあるとか俺じゃ考えらんないわ」
「俺もです」
「大変なのは次の子だよ」
「次って、、あぁ、後任のですか？」
「うん。まりさんはエリザの看板みたいなもんだし。そんな人のWキャストを務めるって大役でしかないじゃん」
「確かにっ」
「ある意味、去年が伝説化されるんじゃないこれ(笑)」
「伝説化？」
「うん、今年は博多座とかもあるけど。Aが参加したのは帝劇だけ。これ観れた人はレアとか何とか言ってまた盛り上がるんだろうな」
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作者名：しぃ
| 作成日時：2023年10月6日 20時
