【憧憬の愛】第二幕 (ページ13)

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第六十三話ページ13

予約していたお寿司屋さんに向かい
美味しさに感動しつつ色んな事を互いに語り合った。

「Aさんは子役からじゃん、本格的に舞台し始めたのっていつなの？」
『高校卒業してからかな〜』
「それまでは興味なかったの？」
『ううん。私ね』
「？？？」
『いや、やっぱ「え、なになに」
『これ人に話すの初めてなんだけど・・・実は宝塚に入りたかったんだよね』
「えぇそうだったんだ」
『そう。まあ不合格だったんだけど(笑)』

「そうなの！？」
『うん。だから全部諦めて普通の高校生になろうと思った』
「・・・・」
『でも舞台のオーディションに合格して』
「・・・」
『まだ辞めちゃダメなんだって思ったし、Aなら大丈夫っておじいちゃんが凄い応援してくれてね(笑)』
「良い話じゃんっ」
『でしょ？でもおじいちゃん厳しいんだよ〜？昔お芝居やってた人だから(笑)』

「Aさんにとって先生みたいな人だ？」
『はは、そうかも(笑)』
「で、そこから舞台に？」
『うん。別に舞台にこだわってたわけじゃないけど、始めたら楽しくて楽しくて、、今に至る』
「そっか」
『大我は？どうして事務所に入ったの？』
「最初はスカウトで、入所は自分で決めた」
『そうなんだ』
「初めはノリと言うか成り行きだったんだよね』
『・・・』
「親も芸能界で仕事してるし。何となく興味はあって・・・ステージに急遽出たんだけどそれなりに楽しくてさ」
『うんうん』
「まあ当時はそこまで深く考えてなかったし、甘かったよね。色々入ってみたらあれ？みたいな(笑)」
『ギャップ？』
「楽しいのは最初だけ。チヤホヤされて。でも数年経ったら状況も変わるし求められる事も増えて」
『・・・』
「無理かもって何度も思った」
『うんっ』
「けど、やっぱり好きで。続けてる今も」
『どの仕事にも言えるけど、好きじゃないとやってけないよね』
「うん、特にこの世界はそうだと思う。あとは人に恵まれてるか」
『あ〜分かるかも』
「俺の場合、メンバーと出会ってグループ結成したから良かったけど、一人じゃキツかったと思う」
『一人かぁ』
「うんっ」
『・・・』
「Aさんは、辛くなったりしない？」
『どういうこと？』
「ん〜俺みたいにグループじゃないでしょ。単体って言うか」
『一人で仕事してるわけじゃないからね〜』