【midnight】-1- (ページ10)

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「ねーAちゃん」
『Aちゃん？』

「今の時間でかなり距離縮まったしいいかなって(笑)」
『京本さんって何か掴めないですね』
「簡単に掴めちゃ面白くないよ。てかその京本さんやめない？」

『・・・京本君とか？』
「違う。大我って呼んでみて」

『酔ってます？』
「まだいける(笑)」

『まともではないですね』
「まともだわ(笑)で？呼べないの？」

『呼べませんよ、そんな簡単に。まだ会って数時間ですよ？』
「俺的には2日間ぐらい居た感じするけど」
『どんな感じですか(笑)』

「仲良くなりたいって意味。もっとね」

『・・・・京本さん』
「なに？」

『そういうのはそういう相手に言ってください』
『ん？どういうこと？ごめん意味分かんない」

仲良くなりたい。

私だってそうしたい。

理由は分からないけれど

でも、きっと

これっきりにしないといけない相手だって

馬鹿な私でも分かるよ。

「Aちゃん」

『・・・・』

「毎日さ仕事して頑張ってるじゃん俺たち」

『・・・そ、そうですね』

「自由ってどこにあるのかな」

『えっ』

「心だけは縛られたくないのよ。俺」

錯覚なのかな。

私も同じだよって。

『大我・・・君』

「呼べるじゃん」

『呼ばせたんでしょ』

嘘が消えて真夜中の闇。

深く深く心を掴んだ。