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「あっち使っていい?」
「いいよー!」
「ありがとうございます〜」



本当に常連さんなんだ。

私と違って彼に嘘はない。

あぁ、急に申し訳なくなってきた。




「何飲む?『えっと、、何でも』
「じゃ、同じの頼むね」
『何飲むの?』
「ラムネサワー♪」



ラムネサワー・・・って



「あ、今こどもっぽいとか思ってない?」
『えぇあぁ、少し?』
「美味くない?ラムネサワーって」
『美味しいですけど、お店の雰囲気的にウイスキーとかかなって』
「あれは大人が飲むやつ(笑)」
『京本さん大人じゃないですかっ』
「中身はそうでもないよ?」
『そうなんですね』
「ねー」
『?』
「名前聞いていい?」



『名前ですか』
「俺は教えたじゃん?」
『・・・・A・・・Aです』
「AA、、思ってたより普通だったな」
『どういう事ですかっ』
「いや、偽名使うぐらいだから変な名前なのかなって」
『変な名前(笑)』
「俺さ、店とか予約取る時変わった名前にしがちなの(笑)」
『例えばどんな?』
「所沢とか(笑)」
『埼玉県じゃないですか!(笑)』
「あは、そう。埼玉!」
『京本さん、変わってますね』




「それはお互い様でしょ?」






芸能人だからと気取る事のない京本さんは話しやすかった。
何より取り繕う必要がない空気感を持つ人。

凄くナチュラルだ。

何もかも。






初対面なのに。



こんなにも楽しいと思う自分がいる。




さっきの"怖さ"はこの楽しさを


知ってしまったら、、って


予言的な物だったのかもしれないね。




うん、今はそう思う事にしよう。








これっきり。





この世界はその程度の物だから。








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作者名:しぃ | 作成日時:2023年5月11日 17時

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