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身勝手に電話を切った後は
大我君からのメッセージで泣いた。
鍵とカード返してもらったら
もう会わないし連絡もしない}
{すぐ返す。直接渡した方がいいよね
うん、そうして}
{分かりました
お願いします}
あの時、頷きさえしなければ
「飲み直そうよ、二人で」
『な、何で私が京本さんと』
「楽しかったから」
『え?』
「楽しかったでしょ?るかさんも」
好きにならなかったかもしれないのに。
何もかも終わった。
自分で壊した。
遅かれ早かれこうなってたって
言い聞かせなきゃ・・・涙が止まりそうにないの。
ー−−−−−−−−ー−−−−−−−−ー−−−−
一週間後
今日夜空いた}
悪いけど家まで届けて}
{分かりました。何時に行けばいい?
21時ぐらい}
{じゃあその時間に行きます
この一週間どうやって過ごしてたか覚えてないけど
おはよう
今飯ー!
今日長いわー
お疲れ
やばい。新譜でた。さいこー
眠る前にLINEを見返して
ぽっかり空いた心の穴を涙で満たす夜が続いた。
そして今日、お別れの日。
大我くんに返す物を紙袋にまとめて会社に向かう。
9:30
11:00
13:00
15:00
18:30
「ごめん、Aさん。これだけお願いしていい?」
『はい、大丈夫ですよ』
「ありがと〜助かる」
19:45
「お疲れ様。気を付けて返って!」
『山中さんもお気を付けて。お先に失礼しますっ』
外はもう真っ暗で湿っぽい風が吹いている。
雨・・・降りそうな天気。
もちろん、傘なんて持ってない。
「どちらまで?」
『世田谷方面の・・・〜』
「かしこまりましたー」
タクシーが動き出して数分。
案の定、雨が降って来た。
20:10
♪♪♪
雨降ってきたけど自転車じゃないよね}
{違うよ
着いたら教えて、下まで迎えに行く}
雨音が次第に強くなる。
別れの時も近くなる。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年5月11日 17時