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『大我君〜お皿、取り敢えず拭いたよー』
「ありがとーそのままにしておいて」
玄関先から聞こえる大我君の声。
どっちの部屋だろう。
右も左も扉がある。
一つは寝室?・・・もう一つは・・・
ガチャッ
「うぉ、びっくりした」
『ごめん。どこにいるのかなって』
「服と一緒にギターも片付けてた」
『ギター?リビングの?』
「ううん。こっちの部屋にもあんの。見る?」
『見ていいの?』
「いいよ、入って」
部屋の明かりがつくと、そこにはギターやアンプ。
電子ピアノそしてよく分からない機材。
『スタジオみたい・・・』
「まあちょっとしたスタジオって言うか、楽器部屋」
『凄いっ』
「そーかな」
『凄いよ。ここで曲とか作るんでしょ?』
「うん。一応」
『企業秘密だ』
「はは、闇の組織的な?」
『そこは黒の組織でしょ(笑)』
「しまったーそっちかあ」
♪♪♪♪〜
『大丈夫?音鳴らして響かない?』
「防音だから大丈夫」
『ほんとにスタジオじゃん』
「ん、ここ座って」
『うんっ』
「ギター弾いた事ある?」
『ないないっ』
「じゃあ持ってみて『待って出来ないよ?』
「大丈夫」
『えぇっ』
私の背後にまわって、ストラップを調節する大我君。
「こことここに指置いて」
『こ、こう?』
「そうそう。で、こっちの手は・・・」
とんでもない近い距離に鼓動が速くなる。
ダメだ、このままじゃ・・・
『あぁーそうだっ』
「んぉ、、なにぃ、どしたの」
『デザート買ってきたの忘れてた!』
なんて、思い出したフリをして立ち上がろうとした瞬間ー・・・
身動きが取れないほど、強く抱き締められた。
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作者名:しぃ | 作成日時:2023年5月11日 17時