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田舎の大学を卒業後、とにかく地元から離れたくて
仕事も人も溢れてるであろうこの街にやってきた。



《東京》


緑豊かな地元とは違う大都会の景色に
私は第二の人生が始まったと思った。

親も身内も周りの視線も感じない。

ここまで長かったなぁ・・・
色んな事があったけど、もう私は自由の身。


誰にも縛られず生きていく。

ありがとう、さようなら。






あれから数年。


オフィスビルの受付をしながら
上京時、お世話になったラウンジで不定期出勤。
お金にも困らず何とか東京での暮らしが出来ている。


幼い頃、描いていたピアニストになる夢は夢のまま。
でも、これで良い。

今が一番自由だから。





「ねぇ、A〜」
『ちょ今本名はやばいから(笑)』
「そうだごめんごめん!」


そう言って、手を合わせる彼女は
東京で初めて出来た友達の麻里亜。

ラウンジで働き始めて2ヶ月後だったかな?
麻里亜が入ってきたの。

凄く可愛いし私と違って愛嬌もある素敵な子。
本人には恥ずかしくて言えないけど一番信頼してる。


『で、どうしたの?』
「明後日の夜さ空いてる!?」
『えーうん、空いてるけど・・・もしかして』
「ふふ、麻布で飲み会♪♪」
『うわ、めんどくさ(笑)』
「何でよぉ〜いいじゃん!」
『やだ、この間行った時最悪だったもん』
「あれは相手が悪かった(笑)」
『そうだよ、オジさんばっかだったし』
「今回は大丈夫!」
『麻里亜の大丈夫って大丈夫じゃないよね(笑)』
「いや、マジで大丈夫!若いし!ジャニーズだし!」
『ジャニーズ?えぇ、それはそれで嫌なんだけど』
「ねぇーお願いー♪美味しいご飯食べに行こ〜?」
『ははっ、ご飯目当てなんだ』
「まあね♪♪あと目の保養?(笑)」
『なるかなー?』
「ならなかったらジャニーズ失格だね(笑)」
『笑かさないで(笑)』





夜の世界で様々な交友関係や話を沢山聞いたし見てきた。
だからこそ、ある程度どう生きればいいか分かってたつもり。

取り繕うって言っちゃあれだけどキャラ作り大事。
これも仕事の一つだもん。



染まりきってない女が好きだしね。



にしても、ジャニーズかぁ。


誰だろー・・・




まあ、誰でもいいや。









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作者名:しぃ | 作成日時:2023年5月11日 17時

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